翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 52

ページ: 52

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一 凡(およ)そ下疳(げかん)便毒(べんどく)淋疾(りんしつ)疥癬(かいせん)黴毒(はつどく)の類(るい)いまた数月(すげつ)を  経(へ)さるものは浴(よく)すへからす黴(はつ)家 気(け)逆上(ぎやくじやう)甚(はなはだ)しき  もの眼目(がんもく)赤(あか)く腫(はれ)耳鳴(みゝなり)痰喘(たんぜん)気急(ききう)胸腹(むねはら)みち脹(はる)もの  頭痛(づつう)甚(はなはだ)しく目暈するもの食物(しよくもつ)すゝまず羸痩(やせ)つ  よきもの虚火(きよくわ)にて上(のぼ)せ痰火(たんくわ)にて逆上(きやくぜう)するもの  すべて脈(みやく)の浮(ふ)大(だい)滑(くわつ)数(さく)なるもの皆(みな)浴(よく)すべからず  上部(ぜうぶ)にこりかたまりたる病(やまひ)は宜(よろ)しからざる者(もの)  としるべし 一凡 入湯(にうとう)は一日(いちにち)に三五度(さんごど)入るべし弱者(よわきもの)は二三度(にさんど)  にてよしたとひ丈夫(ぜうぶ)なる人(ひと)といへども一日(いちにち)に  十余度(じうよど)も入(いる)る事(こと)は忌(いむ)べし痼病(こびやう)年(とし)を経(へ)たる者(もの)を  治(ぢ)せんと欲せば二回(ふたまは)り三回(みまは)りにては功(こう)なし三(さん)  十日(じうにち)或は五十日より半年(はんねん)または一年(いちねん)に至(いた)りて  功(こう)ある者(もの)も多けれは中々(なか〳〵)少々(しやう〳〵)の日数(ひかず)をもつて  大功(たいこう)を取(と)らんと欲(ほつ)する者は大(おゝい)なる誤(あやま)り也 田舎(いなか)  の俗(そく)など急功(きうこう)をせめて一日(いちにち)に十余度(じうよど)も入(い)りて  七日 限(かぎ)りに止(やむ)るは甚(はなはだ)無益(むゑき)にしてその功(こう)なかる  べし 一 温泉(おんせん)の応(おう)ずるか応(おう)ぜさるかをしらんと欲(ほつ)する  には初(はじ)め入湯(にうとう)して腹中(ふくちう)快(こゝろよ)くして空腹(くうふく)になりや