翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 60

ページ: 60

翻刻

 此薬を服(ふく)し医人(いじん)はまた確乎(かくこ)たる見識(けんしき)をみがき  立(たて)此病人を篤(あつ)く治すべきと心(こゝろ)にちかひ病(やまひ)を大(たい)  切(せつ)にして治(ぢ)するときはきつと其 功(こう)あらはるゝ  ものなり双方(そうはう)とも唯(たゞ)うはべあしらひになりて  実(じつ)なき時は其 功(こう)も立(たち)がたし 一 痼疾(こしつ)を治(ぢ)するに医人(いじん)に急効(きうこう)をせむるときは大(おゝ)  きにあしく医人病人にせめらるゝときは定見  を失(うしな)ひ甚(はなはだ)しくなりては日々(にち〳〵)薬(くすり)を易(かへ)るやうなる  時(とき)はいよ〳〵迷(まよ)ひつよくなりて双方(そうはう)ともうろ  たへ遂(つゐ)に正治(しやうぢ)の効(こう)を得(う)る事なし庸医(やうい)は始終(しじう)此(この)  場所(ばしよ)を免(まぬか)る事あたはす故(ゆへ)に全(まつたき)効(こう)を得(う)る事なし 一 道理(どうり)分明(ぶんみやう)なる医人の説(せつ)を聞(きい)て病を治せん事を  需(もとむ)るにはとんと医人(いじん)に打(うち)まかせて必(かなら)ずしも差(さ)  略(りやく)用捨(ようしや)すべからず頼(たの)むかたに差略(さりやく)するときは  執匕(さじとり)の者(もの)疑(うたが)ひを生(しやう)じて大(おゝい)に害(がい)ある事なり然(しか)れ  ども庸医(やうい)に篤(あつ)く任(にん)ずるときは治法(ぢほう)宜(よろしき)を失(うし)ふて  不明(ふめい)の罪(つみ)を得(え)べきなり 一 近世(きんせ)の医薬(いやく)調合(てうがう)は一貼(いつてう)三匁位より四匁位まで  小児科(せうにくわ)の薬(くすり)は一貼八分位より一匁位まで何れ  中華(ちうくわ)の古方(こはう)の分量(ぶんりやう)とは大(おゝい)に小剤(せうさい)なりこの法(ほう)は