翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 61

ページ: 61

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 元来(ぐわんらい)半井家(なからゐけ)小包(こつゞみ)とて三 貼(てう)にて一 剤(ざい)と立(たて)たる者(もの)  なり是国初の時分(じぶん)よりの定法(でうほう)となりたるなり  しかし今より八九十年 以前迄(いぜんまで)は一体(いつたい)の医家の  くすり今よりも猶(なを)小剤(せうさい)なりしかども近来(きんらい)古医  方を唱(との)ふるもの多(おゝ)くなりて其比(そのころ)より今の位ま  てにはなりたるなり今も古風(こふう)なる老医(ろうい)には至(いたつ)  て小剤なる人もあり唖科(あくわ)は猶更(なをさら)なり元来(くわんらい)薬の  大小 軽重(けいぢう)は其病の品(しな)によりて制(せい)することなれ  は小剤家(せうさいか)大剤(たいさい)家と云 別(わか)ちはあるましき事なり  是皆(これみな)医家(いか)の心得(こゝろえ)べき事にして病家(びやうか)も其理(そのり)を弁(わき)  ふべし 一 元来(くわんらい)医流(いりう)に於(おい)て古方家(こはうか)後世家(こうせいか)などゝ称(しやう)して各(かく)  別(べつ)に門戸(もんこ)を立(たつ)る事(こと)は大(おゝい)なる誤(あやま)りなり凡(およ)そ医(い)じ  ゆつは尽(こと〴〵)く古方(こはう)によらすして方則(はうそく)を立(たつ)ると云(いふ)  事(こと)あるべからす宋元(そうげん)以後(いご)の方法(はうほう)なりとも功験(こうけん)  いちしるきものはとり用(もち)ひずんばあるへからす  己見識(おのれがけんしき)を立(たて)てしいて病人を己(おのれ)か範囲(はんい)の内(うち)に入(いる)  と云事(いふこと)は大(おゝい)に不仁(ふじん)の至(いた)りなり兎角(とかく)治術(ぢじゆつ)に実(まこと)に  力(ちから)を入(いれ)るときは此(この)僻見(へきけん)はおのづから去(さる)ものな  りとしるべし此(この)理(り)を弁(わきま)へしりて僻見(へきけん)なる医家(いか)