翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 62

ページ: 62

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 を需(もと)むべからす 一 近来(きんらい)蘭書(らんしよ)頻(しき)りに行(おこな)はれ横行(おうぎやう)の文字(もんじ)を読 翻訳(ほんやく)を  事(こと)とし蘭薬(らんやく)を主(しゆ)として用(もち)ゆる者(もの)あり其理(そのり)なき  にしもあらず其長(そのてう)したる所(ところ)は取(とり)て学(まな)ぶべし先(まづ)  解体(かいたい)の一条(いちでう)においては蘭人(らんじん)は其(その)精微(せいび)を極(きは)め迚(とて)  も和華(わくわ)の及(およ)ぶ所(ところ)にあらず本(もと)蛮夷(ばんい)の国(くに)なれば残(ざん)  忍(にん)の義(ぎ)を恐(おそ)れずしてかく精(くわ)しきに至(いた)るならん  かくのことくなれば発明(はつめい)したる事(こと)も数多(あまた)あれ  は捨(すつ)べき伎(ぎ)にはあらねども風土(ふうど)の違(ちがひ)も大(おゝい)にあ  れは彼国(かのくに)のしれかたき薬品(やくひん)をしゐて求(もと)め且 珍(ちん)  奇(き)の精煉(せいれん)を費(つうや)す事(こと)いわれなき事(こと)なり世(よ)に熟(しゆく)し  てつかひなれたるサフラン ウニカウル テリ  アカなどのごとき薬品(やくひん)は随分(ずいぶん)用ひて宜(よろ)しかる  べし但(たゞし)蘭科(らんりやう)の一癖(ひとくせ)に拘(かゝは)りて治療(ぢりやう)を行(おこな)ふは大(おゝい)に  笑(わらふ)ふべきの至りなり病家(びやうか)も奇(き)を好(この)むの癖(くせ)ある  べからず 一 薬(くすり)を煎(せん)ずるに水火(すいくわ)の類(るい)は随分(ずいふん)精密(せいみつ)に吟味(ぎんみ)すべ  き事なり凡(およそ)利薬(りやく)は井華水(わかみづ)又は新汲水(くみたて)を用(もちひ)てよし補(ほ)  剤(ざい)は長流水(ながれみづ)百労水(くたひれたるみす)百滾湯(たび〳〵たぎりたるゆ)を用ひてよし且 利(とき)  薬(くすり)には武火(つよきひ)を用ひ補薬(ほやく)には文火(ぬるきひ)を用ゆのるい