翻刻!江戸の医療と養生

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養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 76

ページ: 76

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 しても宜(よろ)し夜(よる)に至(いた)りてはつよき物(もの)は胃中(いちう)に滞(とゞこ)  りやすけれは多(おゝ)く食(しよく)せぬ方(かた)をよしとすべし食(しよく)  して寐(ね)るときは痰唾(たんだ)を口中(こうちう)に多(おゝ)く生(しやう)して其翼(そのよく)  日 悪心(おしん)嘔吐(おうど)なとを発(はつ)して快(こゝろ)からず度々(たび〴〵)右体(みぎてい)の  事(こと)あるときは遂(つい)には腫物類(しゆもつるい)などを発(はつ)して治(ぢ)し  かたきに至(いた)るものなり酒(さけ)を飲事(のむこと)は各々(おの〳〵)その量(りやう)  のあるものなれども随分(ずいぶん)少酒(せうしゆ)少酔(せうすい)にすべし少(せう)  酒(しゆ)なるときは欝情(うつじやう)をひらき陽気(やうき)を順(めぐ)らし快(こゝろよ)き  事(こと)限(かぎ)りなく古人(こじん)も花(はな)は半開(はんかい)に見(み)酒(さけ)は微酔(びすい)に飲(のむ)  と云 金言(きんげん)あり是(これ)を称(しやう)しては実(じつ)に百薬(ひやくやく)の長(ちやう)とも  云べし過飲(くはいん)するときは人(ひと)の生命(せいめい)を傷(やぶ)り諸病(しよびやう)を  生(しやう)ずるの基(もと)ひとなる且(かつ)淫泆(いんいつ)に陥(おちい)りて徳(とく)を損(そん)ず  るに至(いた)る女色(によしよく)に耽(ふけ)る事(こと)は人(ひと)の大欲(たいよく)なれば若(わか)き  内(うち)より深(ふか)く慎(つゝし)みて其 欲(よく)を制(せい)すべし常(つね)に独宿(どくしゆく)に  馴(なれ)てみたりに近(ちかづ)くべからず是(これ)人倫(じんりん)の慎(つゝし)みの第(だい)  一(いち)なれば別(べつ)して大切(たいせつ)に心得(こゝろえ)べし 一 平日(へいじつ)の食(しよく)は自分(じぶん)の量(りやう)よりはひかへて七八分位(ひちはちぶんくらい)  に食ふべし過(すぐ)るときは気(き)をふさき眠(ねむ)りを生(しやう)じ  遂(つい)には運化(うんくわ)の精微(せいび)を失(うしな)ふに至(いた)る然(しか)れとも賤人(いやしきひと)  努力(はたらき)つよくいたす輩(ともから)は其量(そのりやう)に応(おう)じて食(くら)ふとも