翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 78

ページ: 78

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 を助(たすく)る酒(さけ)の類(るい)を好(この)み上部(ぜうぶ)欝気(うつき)つよき者(もの)は茶茗(ちや)  を好(この)み酒(さけ)に酔(よう)ものは葛湯(くずゆ)を好(この)むの類(るい)は皆(みな)自然(しぜん)  と其(その)病(やまひ)を治(ぢ)するの品類(ひんるひ)にして其理(そのり)に叶(かな)ふ事(こと)な  りしかしこれとても縦(ほしい)まゝに過食(くはしよく)してはまた  偏味(へんみ)の害(かい)ありて又(また)各々(おの〳〵)其(その)臓気(ぞうき)を傷(やぶ)りて其(その)害(かい)甚(はなはだ)  し何分(なにぶん)にも己(をのれ)が好(この)むに任(まか)せて其欲(そのよく)を貪(むさぼ)りては  大(おゝひ)に悪(あ)しき事(こと)なれは好物(かうぶつ)にたゝりなしといふ  事(こと)を取違(とりちが)へぬやうに心得(こゝろえ)べし 一 諸病(しよびやう)に餌食(じしよく)といふ事(こと)あり能(よく)くすり喰(くひ)をすると  きは服薬(ふくやく)にまさる功能(こうのう)多(おゝ)し故(ゆへ)に周礼(しうらい)と云(いふ)書(しよ)に  食医(しよくい)と云(いふ)者(もの)ありて諸病(しよひやう)の宜(よろしき)と宜(よろ)しからざるを  考(かんが)へ餌食(じしよく)を差図(さしづ)して喰(くらは)しむる事(こと)を司(つかさど)るとあり  此(この)餌食(じしよく)の法(ほう)古今(ここん)の薬性(やくせい)の書(しよ)にも只(たゞ)一通(ひととを)りの性(せい)  味(み)のみをしるしてきつとしたる食法(しよくほう)も見(み)へず  近世(きんせい)後藤氏(ごとううぢ)専(もつぱ)ら餌食(じしよく)の法(ほう)を唱(とな)へたり卓見(たくけん)なれ  どもまた僻見(へんくつ)多(おゝく)して取捨(しゆしや)せずんばあるへからす  今(いま)あらまし此(この)法(ほう)を考(かんかへ)て奥(おく)にしるすしかし我国(わかくに)  の民俗(ひと)は常(つね)に万国(ばんこく)に勝(すぐれ)たる梁米(よきこめ)を食(しよく)するが故(ゆへ)  に獣肉(ぢうにく)などは中華(ちうくわ)同様(どうよう)に食(しよく)すれば大に脂毒(あふらのどく)残(のこ)  りて害(がい)をなす事(こと)多(おゝ)し其(その)病(やまひ)ありて其(その)的中(てきちう)すべき