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を助(たすく)る酒(さけ)の類(るい)を好(この)み上部(ぜうぶ)欝気(うつき)つよき者(もの)は茶茗(ちや)
を好(この)み酒(さけ)に酔(よう)ものは葛湯(くずゆ)を好(この)むの類(るい)は皆(みな)自然(しぜん)
と其(その)病(やまひ)を治(ぢ)するの品類(ひんるひ)にして其理(そのり)に叶(かな)ふ事(こと)な
りしかしこれとても縦(ほしい)まゝに過食(くはしよく)してはまた
偏味(へんみ)の害(かい)ありて又(また)各々(おの〳〵)其(その)臓気(ぞうき)を傷(やぶ)りて其(その)害(かい)甚(はなはだ)
し何分(なにぶん)にも己(をのれ)が好(この)むに任(まか)せて其欲(そのよく)を貪(むさぼ)りては
大(おゝひ)に悪(あ)しき事(こと)なれは好物(かうぶつ)にたゝりなしといふ
事(こと)を取違(とりちが)へぬやうに心得(こゝろえ)べし
一 諸病(しよびやう)に餌食(じしよく)といふ事(こと)あり能(よく)くすり喰(くひ)をすると
きは服薬(ふくやく)にまさる功能(こうのう)多(おゝ)し故(ゆへ)に周礼(しうらい)と云(いふ)書(しよ)に
食医(しよくい)と云(いふ)者(もの)ありて諸病(しよひやう)の宜(よろしき)と宜(よろ)しからざるを
考(かんが)へ餌食(じしよく)を差図(さしづ)して喰(くらは)しむる事(こと)を司(つかさど)るとあり
此(この)餌食(じしよく)の法(ほう)古今(ここん)の薬性(やくせい)の書(しよ)にも只(たゞ)一通(ひととを)りの性(せい)
味(み)のみをしるしてきつとしたる食法(しよくほう)も見(み)へず
近世(きんせい)後藤氏(ごとううぢ)専(もつぱ)ら餌食(じしよく)の法(ほう)を唱(とな)へたり卓見(たくけん)なれ
どもまた僻見(へんくつ)多(おゝく)して取捨(しゆしや)せずんばあるへからす
今(いま)あらまし此(この)法(ほう)を考(かんかへ)て奥(おく)にしるすしかし我国(わかくに)
の民俗(ひと)は常(つね)に万国(ばんこく)に勝(すぐれ)たる梁米(よきこめ)を食(しよく)するが故(ゆへ)
に獣肉(ぢうにく)などは中華(ちうくわ)同様(どうよう)に食(しよく)すれば大に脂毒(あふらのどく)残(のこ)
りて害(がい)をなす事(こと)多(おゝ)し其(その)病(やまひ)ありて其(その)的中(てきちう)すべき