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別(べつ)して人参(にんじん)の毒(どく)にあたりてもたへ苦(くる)しむには
水煎(みづせんし)して服(ふく)すれは即効(そくこう)あり
一 胡麻(ごま) 平食(へいしよく)には白(しろ)き方(かた)油(あふら)多(おゝ)くしてよし服薬(ふくやく)餌(じ)
食(しよく)には黒(くろ)き方(かた)をよしとす俗間(ぞくかん)に服薬(ふくやく)の病人(びやうにん)に
は是(これ)を禁(きん)す愚按(ぐあん)するに此品(このしな)脂(あふら)ありといへとも
本(もと)胃(い)を開(ひら)き食(しよく)を進(すゝ)むるか故(ゆへ)に胃中(いちう)に稠粘(てうねん)せず
故(ゆへ)に用て害(かい)なし○黒胡麻(くろごま)は補腎(ほじん)の良薬(りやうやく)とす延(ゑん)
年(ねん)不老(ふろう)の説(せつ)は妄(もう)に近(ちか)しといへども平生(へいぜい)餌食(じしよく)す
れは五臓(ごぞう)の津液(うるほひ)を補(おきな)ひ気力(きりやく)をまし肌肉(きにく)を充(みた)し
むるの効(こう)ありて甚(はなはだ)好品(こうひん)なり
一 赤小豆(あづき) 湿(しつ)を燥(かわ)し水気(すいき)を利(り)し乳汁(にうじう)を通(つう)し酒毒(しゆどく)
を去(さ)る○腹満(ふくまん)腫脹(しゆてう)の病(やまひ)に赤小豆(あづき)薬(くすり)敦(とん)阜剤など
云(いふ)て用(もち)ゆる薬(くすり)あり常(つね)の米食(へいしよく)を減して麦(むぎ)小豆(あづき)の
みを用ゆる薬なり甚(はなはだ)良効(りやうこう)あるくすりなり〇一切
瘟疫(はやりやまひ)痢病(りびやう)なと流行(はやる )の節(せつ)預(あらかじ)め煎(せん)し服(ふる)するときは
其 伝染(うつる)する事を免(まぬか)る○痘瘡(ほうそう)を軽(かろ)くし預(あらかじ)め防(ふせ)が
んと思ふ節(せつ)は赤小豆(あづき)黒大豆(くろまめ)菉豆(ぶんとう)《割書:各三匁》甘草(かんぞう)《割書:一》
《割書:匁》を水にてせんじ汁(しる)を飲(のま)しめ意(い)に任(まか)せて豆(まめ)を
喰(くらは)しむれは痘瘡(ほうそう)急発(きうはつ)を免るゝ事 三因方(さんいんほう)に出(いて)た
り試効(こゝろみるにこう)ある事なり