翻刻!江戸の医療と養生

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養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 93

ページ: 93

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    塩(しほ)造(そう)醸(しやう)類 一 塩(しほ) 諸味(しよみ)を調和(てうくわ)するの第一(だいいち)にして民生(みんせい)日用(にちよう)の  冠(かしら)たり其(その)功能(こうのう)も多(おゝ)く実(まこと)に人(ひと)を助(たす)くへき品(しな)なり  其(その)性(せい)腎(じん)に入(い)るを以(もつ)て気(き)を降(くだ)し物(もの)を堅(かた)むるの最(さい)  上(ぜう)なり○毎朝(まいちやう)塩を以(もつ)て歯(は)にすりぬり水(みづ)にて漱(そゞぎ)  き其(その)水にて目(め)を洗(あら)ふときは歯(は)を固(かた)め目(め)を明(あきらか)に  する事 妙(めう)なり日々 懈(おこた)らされは老年(ろうねん)にいたりて  も目(め)歯(は)丈夫(じやうぶ)にして衰(おとろ)へず○霍乱(くはくらん)中暑(ちうしやう)滞食(たいしよく)の諸(しよ)  病(びやう)にて心腹(しんふく)卒痛(そつつう)して苦(くる)しむ者 一切(いちさい)胸中(けうちう)に痰沫(たんまつ)  あつまりて堪(たへ)がたき症(しやう)に塩湯(しほゆ)を作(つく)りて頻(しき)りに  飲(のま)しむれはたちまち吐(と)して胸中(けうちう)さつぱりとな  る是(これ)は軽(かる)き吐剤(とさい)にして甚(はなはだ)妙功(めうこう)ある聖方(せいはう)なり○  諸(しよ)毒虫(どくむし)のさしたるに洗(あら)ひてよし○風湿(ふうしつ)の皮膚  に欝(うつ)して痛(いた)むにまたは疝気(せんき)腰痛(こしいたみ)冷(ひへ)痺(しひれ)下部(げぶ)の順(めぐら)  ざる諸病(しよびやう)に塩(しほ)ごもを入(いれ)たる浴湯(よくとう)にて温(あたゝ)めてよ  く順(めぐ)るなり○目疣に度々(たび〳〵)塩水(しほみづ)にて洗(あら)ひてよし  ○虫を殺(ころ)し瘡腫(そうしゆ)の毒(どく)を消(け)し一切 癥瘕(てうか)積塊(しやくくわい)の類(るひ)  にてもかたきを和(やわら)くるの功(こう)甚(はなはだ)妙(めう)なり○火灼(やけど)瘡  に塩湯(しほゆ)にて度々(たび〳〵)洗(あら)へばひりつきもとまりてよ  し