翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

養生録 - 翻刻

養生録 - ページ 94

ページ: 94

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一 酒(さけ) 気(き)を順(めぐ)らし欝(うつ)をひらき寒(かん)を温(あたゝ)め暑(しよ)を消(け)し  風湿(ふうしつ)を散(さん)じ邪悪(しやあく)を去(さ)り禽獣(きんぢう)菜蔬(さいそ)の毒(どく)を解(げ)し心(こゝろ)  を愉快(ゆくはい)にし興(けう)を催(もよほ)し人(ひと)を楽(たの)しましむる事 諸薬(しよやく)  の及ぶところにあらず古人(こじん)称(しやう)して百薬(ひやくやく)の長(ちやう)と  する事 宜(むべ)なるかな唯(たゞ)平日(へいじつ)微酔(ひすい)に飲(のみ)て過(すぎ)ざるを  肝要(かんよう)とするなり酣飲(かんいん)放恣(ほうし)にして謾(みだ)りに飲(のむ)とき  は神(しん)を損(そん)し精(せい)を亡(ほろ)し其(その)害(かひ)勝(あげ)て数(かぞふ)べからず甚(はなはだ)し  き時(とき)は其(その)天年(てんねん)を失(うしな)ふにいたる恐(おそ)るべきのいた  りなり○血分(けつぶん)を順(めぐ)らす諸薬(しよやく)の内(うち)に入て能(よく)其(その)患(うれ)  ふる所(ところ)にいたらしむる妙効(めうこう)あり○ 久瘧(きうぎやく)治(ぢ)しか  ねたる時は意(こゝろ)に任(まか)せて冷酒(れいしゆ)を随(すい)分飲(のむ)たけのま  しめて能(よく)寐入(ねいら)しめて睡中(すいちう)寒熱(かんねつ)を覚へずさめて  忘(わす)るがごとくいゆるなり是(これ)予(わか)試みたる所なり○  一切(いつさい)打撲(うちみ)に用る愛洲(あいす)を温酒(うんしゆ)にて随分(すいぶん)余計(よけい)に飲(のま)  しめて臥(ふ)さしむるときは大によし○薬酒(くすりざけ)の類(るい)  は種々(しゆ〴〵)あるものなり其(その)製(せい)する家に付て其(その)功用(こうよう)  を詳(つまひらか)にして用ゆべし 一 焼酒(せうちう) 胸膈(けうかく)を快活(くわいくわつ)にし諸(しよ)冷(れい)積(しやく)欝(うつ)結(けつ)の諸(しよ)病(ひやう)を開(ひら)  き諸(しよ)気(き)を通(つう)する事神のことし蘭薬(らんやく)製煉(せいれん)に多(おゝ)く  此を用て薬気(やくき)の猛盛(もうせい)なるを尊む事あり○膈噎(かくいつ)