翻刻
【右丁】
〇米糀(こぬか) 篩(ふるひ)にてふるひ荒 粉を去り米の
粉に小麦の粉 蕎麦の黒粉抔を等分に
雑(ませ)餅だんご 焼餅等に拵る
餓たる人の養ひ様
〇人 数日(すちつ)食せず餓困( くるし)んて死(しな)んとするは
先(まつ)飯を與喫(くは)すべからず 若 喫すれは立処に
死す 且 妄(みたり)に服薬(くすり)を用(もちゆ)べからす
【左丁】
〇手拭(てのこひ)様の物を熱き湯に浸し臍腹(ほその)あたりを
熨(の)せは自然と囘生(よをかへ)るべし その時白湯の中へ
味噌汁又は米飲(おもゆ)少しを冲(さし)て撹(かき)まぜ嚥(のま)しめ
腸(はら)を滋潤(うるほ)し その後能 熟(に)たる稀粥(うすかゆ)を喫
せて両三日の間に段々その粥を濃して
食せ数日の後に軟(やはらか)なる飯を與喫せてよし
凡 飢(うえし)人 白菓(ぎんなん)を食しむれは死す 慎む
べし