翻刻
【右丁】
一夜ひたし滑汁(ぬめり)を淘洗い用ゆ蕨の粉と
一所に用ゆべからず
〇旋花(ひるがほ)葉《割書:あめふり花|》爛熟し水にひたし悪汁(あく)を
取て用ゆ長(なか)く食すれは頭暈(めまい)し又腹に
あたる事もあり続て食すべからず
〇問荊(すぎな) 爛熟しさわし用ゆ花を筆頭菜(つくづくし)
といふ食すべし瘡病(ふきでもの)ある人は忌
〇虎杖(いたどり)製方同断 妊婦(はらみをんな)には忌
【左丁】
〇蕨 平年飯の葱味(さい)【注1】に用るには灰湯(あく)にてうで
水にて淘浄し用れ共 饉(かて)のたしにするには
灰湯にて煮 流河(なかれかは)にひたす事一二日その後能
しぼり細に刻(きざミ)塩を入 飯の上にのせたくべし
〇紫茸(ゼんまい) 嫩芽を採り爛熟し淘浄し用ゆ
〇水芹(セり) 同断
〇稀薟(めなもみ)【注2】葉 爛熟し流水に一夜ひたし置
苦味をさりて用ゆ
【注1】菜の誤字ヵ
【注2】豨薟 キク科