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翻刻
【右丁】
春御猪口物之部
鰹ふし随分荒く掻やけんにておろし
目あらき水能にて震ひ粉に仕候
梅干湯煑仕候て古酒にて煑候て肉を
むしり取是もすいのふにて撫越候て
梅ひしをに仕鍋に入最前の煑汁を入
別の酒も入醤油を入炭火に懸越置候梅
のにく砂糖をたくさんに入汁たふ〳〵と
仕鰹の粉を入しわらく交申候汁過候と存候
程に仕候て交合候得者鰹の粉にしみて
加減克御座候鍋にこけ付不申様暫火に
懸交ぜ乾かし申候
【頭書】
合加減大概
梅のにく斗五勺
鰹の粉三合
酒四合初の煑汁ともに
醤油壱合弐勺
砂糖弐十五匁ゟ
三十目迄
【左丁】
大梅干前日湯煑仕水に漬置酸を出し
候得者ふくれ申候梅十五に付砂糖三拾五匁
程に上酒七合程摺合越候て鍋に入炭火
に懸にへ立候時分右の梅を入火をやわらかに
一煑梅 仕煑申候段々汁のにへへり候程ツヽ鍋の
煑仕廻候時分 ふちにいり付不申候やうせつかいにみずを付度
醤油五勺入候も 々撫おとし申候こけ付しては風味悪敷く
能御座候 御座候右の汁大概四合程に詰候時分
瀬戸物に汁ともに写申候差上候時分汁
沢山に溜梅は先一ツもり差上候右湯煑の
時分も銅錫からかね鍋は宜無御座候土鍋
か鉄鍋にて仕候
梅干を湯煑仕にくをむしり取布にて能絞
り水を去摺申候時分に大梅十に付砂糖二