翻刻
【右丁】
一元和元年のころ。大ざかにおひて。きりしたんの
ほう。はんじやうして。ぶし町人しよらう人とも
もんぜんにいちをなす。有とき大みやうの後室(こうしつ)
りくしゆんにあまらせ給ふが。しきりにきり
したんのほうを。すゝむるによつて何ともよん
ところなくして。こうしつのいわくわれはこれ七
しゆんにをよひて。ゑいぐわゑようののぞみなし
なにゝとほしき事なく。たゝあけてもくれても
【左丁】
後生(こしやう)一すち也。せんするところは仏になりたき
のぞみはかりなり。今日にゐたるまでふつほうの
たてわけをしらす 南無阿弥陀仏と申せはさ
いはうじやうとにおもむき。妙法蓮花経と申
せは。ぢやくくわうどに。おもむくとはかり心へて。よ
ねんをしらず。てにとるほとに仏道(ふつだう)あきらか
なる事あらは。なにしうにはよるへからす。し□【う】
ていをかへ候はん物をとの給ふ ゐるまん聞て