キリシタン関連史料を翻刻

コレクション: コレクション1

吉利支丹物語 2巻 - 翻刻

吉利支丹物語 2巻 - ページ 36

ページ: 36

翻刻

【右丁】 一上 智(ち)の人しゆつりをとげんとおもふとりおこないは  尺迦(しやか)一代のざうきやうはまよひとさとりの二つを  ときわけ給ふ一心のうへよりさとり一心のうへよりまよ  ふ物なれは人たのみをし。仏たのみをしてなる仏  にはあらず。たゝわれにそなわりもちたる仏を  みかき出さゝれはみらいやう〳〵をへても仏には  なりかたしたとへはすいしやうの石(いし)にひかりあり  といへとも。こんがうじやうをもつてすりみがゝ 【左丁】  ざれは玉にならず。たとへはかゝみといふものはむね  むなる物なれはうかふかたちをとめす人げんも本心(ほんじん)は  かゞみにもおとらすあきらかなる物なれともうかふ  きやうがひをとめてよちつき。とんよくかまんに  まよふ。禅家(ぜんけ)に万ほうとともたつてともたらすと  いふも。ばん〳〵のきやうがいにひかれぬといふきりなり  天だいの一ねん三千のさとりといふも一心のうへに  三千のまよひあるといふ事をかんじんとす