翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

当世医者風流解 3巻 - 翻刻

当世医者風流解 3巻 - ページ 13

ページ: 13

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転頓作先生(てんとんさくせんせい)ハ実(まこと)に多才(たさい)絶倫(せつりん)にして病人(びやうにん)一/度(たび)此人 を頼(たの)めバ譬(たと)へなんぼう悪(わる)ふなるとても。しんでもだんない〳〵 大じなひ。此/御医者(おいしや)さんより外(ほか)の御/医者(いしや)はわしやいや〳〵と 一筋(ひとすじ)に思ひつめさわく程(ほど)の大の名人医者(めいじんいしや)と聞(きく)より 早(はや)く気転頓作先生方(きてんとんさくせんせいかた)へと馳至(はせいた)る。何(なに)が家(いへ)の間口(まぐち)ハ 拾間斗(じつけんばかり)に向ふの見付(みつけ)にハ。たゝき土(つち)にて築上(つきあげ)たる水溜(みつため) に大なる紋所苗氏(もんところめうじ)などを顕(あらわ)し高貴方(かうきがた)の菊(きく)の御/紋(もん) 付たる灯燈(てうちん)を昼(ひる)のやうに建乗物(たてのりもの)を釣(つり)ならべ玄関長(けんくはんなが) 屋(や)侍部屋(さむらいべや)いかなる難病難治(なんびやうなんぢ)の者(もの)もなをらさるとハ見(み)へ さるけり。かくて厚釜敷安(あつかましきあん)は此/体(てい)を見てぎよつとしな がら案内(あんない)を乞(こ)ふて先(まづ)己(をの)が姓名(せいめい)を通(つう)し。兼(かね)て先生(せんせい)の 御/高名(かうめい)を承(うけたまは)り及(ぉよ)び医道(いだう)の極秘伝(こくひでん)を教(をし)へゐはんことを 願(ねが)ふ取次(とりつぎ)の初生(しよせい)を以(もつ)て通(つう)しけれバ。此方(このはう)へ御/通(とを)りあれ との案内(あない)に連(つれ)て座敷(ざしき)に通(とを)り気転頓作(きてんとんさく)に目見(めみ)へし て何卒(なにとぞ)医道奥義(いだうおうぎ)を伝(つた)へ給(たま)はれるし御/恩(をん)の程(ほど)は忘(わすれ) 奉らじと願(ねがひ)けれハ。先生/完通曰汝医(くはんしとしてなんぢい)の道(みち)に志(こゝろさし)深(ふか)きに