← 前のページ
ページ 27 / 100
次のページ →
翻刻
の新(しん)もの数限(かずかぎ)りなきことあげてかぞへかたし誠(まこと)に天窓(あたま)
をなぶりものにする也。化粧(けわひ)ハ。うつすらと紅白粉(へにおしろい)に極(きはま)りし
ものを。化粧(けわひ)下して玉子(たまご)やう。婦のやきやう。又しやうゑん
しやう。和尚(おしやう)やう。首筋(くひすじ)ハふじの山或ハ二/本足(ほんあし)三本足
四本あし毛(け)だものやうに思ひ。耳(みゝ)のうしろをすかや
ら。けづるやう。天窓(あたま)の真中(まんなか)に金(かな)ものを打(うつ)やら実(まこと)に
顔(かほ)から天窓(あたま)をちやうさいぼうにするといふもおろかなり。
最早此上(もはやこのうへ)ハ。しやうもやうもないゆへに。胸(むね)から腹(はら)へかけ
テ高蒔絵(たかまきえゑ)をかき。背(せ)なかから太股尻(ふともゝしり)のわれめへか
けて極彩色(ごくざいしき)にするやうになり誠(まこと)に〳〵女のはゞする
時節(じせつ)なり。節季前(せつきまへ)に通書出(かよひかきだ)しの〆高の多(おほ)いの
ハ呉服屋(ごふくや)小間物(こまもの)やなれバ主(あるじ)是(これ)をみて何(なに)ゆへ此様(このやう)に
小間物(こまもの)や呉(ご)ふくやの買物(かいもの)か多(おほ)ひといへバ。女房(によほう)むつ
とせきあげ。いかりの眼(まなこ)に声(こへ)あらゝけヤア〱費(ついへ)らし
きもの一ツもなし通書出(かよひかきだ)し一々に。ごり押(をし)にして吟味(ぎんみ)せ
よ付落(つけをち)ハあるとも付掛(つけかけ)ハなひゾヨ世帯(せたい)廻(まわ)りの無益(むゑき)