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得(え)て薬(くすり)はきかいでも時(とき)によつてハ少しよひことも
あるものなれバ其時(そのとき)には薬がきいたと思ひすこし
胸(むね)がさばけるとぐつと快(こゝろ)よくなるものなり。そこで
あの御医者(おいしや)さんにかゝつてから。ずつと胸(むね)かすいて。いき
たわしみが治(おさま)りしと思ひ。信仰(しんかう)し益し。是薬(これくすり)より
弁口(べんこう)にて半分(はんぶん)の余(よ)も治(おさま)るもの也/産前(さんせん)の療治(りやうぢ)ハ
大体(たいてい)しれたものなれバ。毒(どく)もならず薬もならず
そめいさんだちの薬にて。あへくつてをけバ不調法(ふちうはふ)に
ハならぬものなり。産後(さんご)なれハ血(ち)か荒(あら)ふこさります
ゆえ食物(しよくもつ)の御/毒忌(どくいみ)が大事(だいじ)でござります。又
最(も)一つ御/毒忌(どくいみ)がごさりますと親仁(おやじ)が七十五日を
待(また)ぬを制(せい)する耳(みゝ)こすりを云聞(いひきか)すべし
○/扨額(さてひたい)に青筋(あをすじ)がたち。かん積持(しやくもち)と見ゆれバ。兎(と)
角物毎(かくものごと)忍耐(こたゆる)が第一の御/養生(やうじやう)でござりますと云
て。只何(たゞなに)ごとも気(き)をしづめ辛抱(しんぼう)が大事(だいじ)で御ざると
いへハ家内(かない)の者(もの)が。あの御/医者(いしや)さんハゑらひ上手(じやうづ)じや