← 前のページ
ページ 54 / 100
次のページ →
翻刻
古方(こはう)家の云ぬけハ古めかしうて当世の風義に
あはず近此は前(まへ)かきをいひ廻(まわ)せバとんなしくじ
りでもぶてうほう下手にはならぬものとしるへし
○/嬾人(ふしやうもの)と見ゆれハ脉体(みやくてい)を見て御間(ひま)を入/得与(とくと)
考(かんが)へ小首(こくび)を度々(たび〲)傾(かたむ)けて。小便(せうべん)か一時に余程(よほと)たんと
通(つう)じませうなと云べし
○かね持(もち)の隠居(いんきよ)なれバ脉体腹(みやくていはら)を見て何(なん)でも虚(きよ)
損(そん)が見へます。此侭(このまゝ)に捨置(すてをか)れますれバ中気(ちうき)になり
舛ヘイ「(先) 夫はいやなことでござり舛アノ浄(しやう)ちる村(むら)の中(ちう)
風(ふ)の灸(きう)はどふでござり舛「(イ)イヤモあれもあれでござり舛
「(先)ヘイアノ烏犀円(うさいゑん)ハどふで御ざり舛ナ「(イ)それハほん中風
に成(なる)てからのことでござりますと。こぼたづにいふべし。
しかし此方の兼用(けんよう)に用(もち)ひられませといへバ。薬がきかず
とも手前(てまへ)のしくじりにならず。若(もし)しくじつた時(とき)ハ。余所(よそ)
の薬(くすり)をそしつて。我/下手(へた)をかくすべし。又/其薬(そのくすり)で
愈(なを)るも此方(このはう)の手柄(てがら)になる也。只今(たゞいま)の内(うち)か御/養生(やうじやう)所
でござり舛といふて長(な)ふ薬(くすり)を用(のむ)るやうに云(いふ)べし