翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

当世医者風流解 3巻 - 翻刻

当世医者風流解 3巻 - ページ 58

ページ: 58

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左様(さやう)に拙者(せつしや)に御/頼(たのみ)のことなれバ。よぎなく調合(ちやうがふ)いたしま せふが甚(はなはだ)以(もつ)てむつかしいじやテイ何分(なにぶん)此暑(このしよ)でハ先土用(まづどよう) を御こしなされたら御/取続(とりつゞき)もできませふが。然(しか)れども俄(にわか)に 此痰(このたん)といふものがいふもむつかしいもので。何時(なんとき)すつと差(さし) 発(おこつ)てことやらしれぬ。なれども少(すこ)しでも御/食事(しよくじ)かまし たらまんざら案(あん)じられたものても御さり舛まい。平生好(へいせいすき) なものでも此節(このせつ)ハいけぬものじやが。先常々(まづつね〲)このまれま す物でも又はとつけもなひものがよふ納(おさま)ることもあるもの なれバ色々(いろ〱)と手(て)をかへ品(しな)をかへて御/食事(しよくじ)を上(あげ)られませ。 何分(なにぶん)薬よりハ食事(しよくじ)がかんじんで御ざり舛/寿命(じゆみやう)さへあれバ 命(いのち)に別条(べつじやう)もござりますまい病(やまひ)と寿命(じゆみやう)とハ別(べつ)なもの てござる先(まづ)調合(ちやうがふ)の薬あげて御らふしませ。扨々(さて〱)御/大病(たいびやう) て甚(はなはだ)むつかしい。とかく御/介抱(かいはう)が第(だい)一で御ざりますなどゝ 同し言葉(ことば)を品(しな)を替(かへ)。至極(しごく)深切(しんせつ)らしく遣(つか)ふべし。病家(びやうか) ハ大事(だいじ)の病人(びやうにん)に気(き)をとられ心遣(こゝろづか)ひの中(なか)なれバ。医者(いしや)が 尤(もつとも)らしい顔付(かほつき)て同しやうなしれたことを。あちらへぬらり