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よつほどかしこひ智恵(ちゑ)のある子供衆(こどもしゆ)じや。何もかも
よう知(し)つてゐるわひのといひ。たらしたり。ほめそやし
てくり出(だ)してハ問(とい)だん〳〵と夫(それ)からそれへたづねるうち
にホンニ全体(ぜんたい)いつからのことジヤのハイせんど伊勢(いせ)参(まい)りから
もどられましてからのことで御/座(ざ)り舛フウその伊勢参り
からのことも。うす〳〵聞(きか)んでもないてへフウよし〳〵いしやい
承知(せうち)しました是(これ)から所(しよ)らへ参(まい)り所なれども。そこ元(もと)の
方(はう)から先(さき)へ御/見舞(みまひ)申ますと云(いふ)て下(くだ)されと使(つかひ)をかへし
初(はじめ)て娘(むすめ)の病人(びやうにん)いふて来(きた)りしハこれ婦人(ふじん)に金(かね)のもふ
かるといふ瑞相(ずいさう)と勝手(かつて)づゝなる口合(くちあひ)の吉祥(きつしやう)を祝(いは)ひ
大に悦(よろこ)ひ兼(かね)て金毘羅(こんびら)さま神道(しんたう)にてハ鎮宅(ちんたく)
霊符神(れいふしん)。仏道(ぶつだう)にて妙見大菩(みやうけんだいぼさつ)近年(きんねん)の流行(りうかう)もの
なれバ何卒(なにとぞ)病人(びやうにん)多(おほ)くきたり薬違(くすりちが)ひいたしても
よくきゝゐへ南無(なむ)きんじやうさいはい〳〵といのりし
きどく有(あり)しやと思ひまた彼秘術(かのひじゆつ)を行(おこな)ふへし
とて薬箱(くすりばこ)片手(かたて)に引さげいさみ進(すゝ)んでしなのや