翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

当世医者風流解 3巻 - 翻刻

当世医者風流解 3巻 - ページ 89

ページ: 89

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さしてぞ急(いそ)ぎけるかくて敷安(しきあん)ハしなのやにきたり。 先刻(せんこく)御/使(つかひ)に預(あづか)りました。厚釜敷(あつかましき)でこさり舛と いへバ。ふしぎそうにイヤ〳〵此方(このほう)から御/頼(たのみ)にハ上(あげ)ませぬ。 名(な)は何と御/聞(きゝ)なされました。此方ハ帯屋(おびや)でござ り舛がコレハ〳〵信(しな)のやで御ざり舛ソレハ隣(となり)で御ざり舛ヘイ あまり気急(きぜき)で取違(とりちが)へました大(おゝき)に不調法(ふちうはいう)といひ こそ〳〵と出てしなのやの内(うち)に入/敷安(しきあん)でござります と通(つう)しけれハ。これへ御/通(とを)りなされませとの案内(あんない)に つれて罷通(まかりとを)れバ。主立出(あるしたちいで)コレハ〳〵御/苦労(くらう)千万(せんばん)まづ 病人(びやうにん)ハ此方(このはう)の娘(むすめ)おはんでござります。御覧(ごらん)なされ て下さりませとありけれバ。敷安(しきあん)おはんか前(まへ)へちかく より腹脉(はらみやく)の見(み)やう。薬(くすり)の配剤(はいざい)ハ知(し)らねとも。脉(みやく)を とり小首(こかび)をかたふけ思案(しあん)の体(てい)をなし又フウ〳〵といゝ 口の内(うち)にて独(ひと)り云(ごと)をぼい〳〵いひ。兼(かね)て秘術(ひじゆつ)の手(て) の出しあんばい脉体(みやくてい)を見てとり。使(つかひ)の丁稚(でつち)に得与(とくと) 聞(きゝ)置(おく)ことなれバ。すました顔(かほ)して。定(さため)て御/食事(しよくじ)ハよつ