翻刻
【右丁】
風もあるに船さきへとては行す幾(いく)
度(ど)こげども西へ〳〵と舟かへり一向行こと
あたはず夫(それ)ゟ本国へ帰りしとなり是は
東方 発生(はつせい)の気(き)甚だつよきゆへ如此
あるらんと申き又南方をさして
行けるものいへるは是も二三千里南へ
【左丁】
こぎ行しに其丈十丈斗或は二十丈斗
の瀧(たき)南へ落て一向船を下の海へ落す
べき術(てだて)なく是非(ぜひな)なく帰りしとなり
此処にて遠目鏡(とふめがね)を出し南の方を
見けるに凡六百里もあらんと思ふ所に
また瀧(たき)ありて南ゟ北に向て落(をち)けるを