翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 一 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 一 - ページ 3

ページ: 3

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【右端より】 出店養生場 難波新地心斎橋通中筋 山城屋権三郎 ひぜん妙剤      大人分 銀三匁  《割書:密|方》武政膏    小児分 銀一匁五分   加藤周伯伝製 【挿絵内の本文 右上から】 一 夫(それ)ひぜん薬(くすり)数多(あまた) あれども寒剤(かんざい)を以(もつ)て 一旦(いつたん)は全快(せんくわい)すれど瘡毒(さうどく)内(うち)に入(いり) 良(やゝ)もすれば人(ひと)を 損(そこの)ふものすくなからず又 平愈(いゆる)と いゑども其(その)源(ね)をたつ事かたし故(ゆへ)に 暑寒(にき)に再発(さいほつ)の憂(うれひ)あり予 製薬(くすり)は一子(いつし) 相伝(さうでん)稀代(きたい)の良剤(めうやく)にして外(ほか)に 類薬(るいやく)なし ◯予が伝来(でんらい)は 家祖(せんぞ)加藤周伯(かとうしうはく)之(の)代(よ)朝鮮人(てうせんじん) 就来朝(らいてうにつき)旅館(りよくわん)滞留中(たいりうちう)予が 家(いへ)も下宿(げしゆくの)被蒙台命(たいめいをかうふられ) 来舶人(らいはくじん)之(の)内(うち)両三輩(りやうさんにん) ひぜんを困(くるし)む▲ 【挿絵の中央部より、本文の続き】 ▲人あり 典薬司(おゐしや) 薬(くすり)調合(てうがふ)致(いた)し 用(もち)ひ候 処(ところ) 日数(ひかづ)纔(わつか) 之 内(うち)全 平愈(へいゆ)せし 眼前(まこと)の妙薬(めうやく)なり 祖(そ)周伯(しうはく)秘法(ひほふ)を求(もと)め 弘(ひろ)むるところ一人(いちにん)として 全快(ぜんくわい)せずといふ事なし たとへ五年(ごねん)十年(じふねん)難治(なをらざる)の ひぜんにても此(この)薬(くすり)一剤(いちざい)を以(もつて) 骸内(たいない)の瘡毒(さうどく)を発表(はつへう)し 日数(ひかづ)十日に全(まつたく)平愈(へいゆ)すること 請合(うけあい)の妙薬(めうやく)なり此(この)薬(くすり)にて 一旦(いつたん)平愈(へいゆ)せば年々(とし〳〵)催発(さいほつ)することなし 疑(うたがひ)の人(ひと)は 薬(くすり) 用(もち)ひし人(ひと)にたづね とふべし其(その)余(よ)の疾(やま)ひに用(もち)ひて 寸功(すんこう)なしひぜん一通(ひととふ)りの妙薬(めうやく)也 【挿絵左上の文章】 夫(それ)ひぜん瘡(かさ)は人(ひと)を 苦脳(くるし)め其(その)疾(やまひの)源(ね)を たつて人(ひと)の意(こゝろ)を よろこばしむる 故事(いにしへ)武王(ぶわう)の政事(せいじ) に傚(なら)ふて武政膏(ぶせいかう) となづく 【挿絵上段の人名など、右から】 大公望 周武王 殷郊 【挿絵下段の台詞、おおむね右から】 【白い犬】 いつも〳〵ひどい人じやわん〳〵 【右下の女性】 おちやあげ ませう これは はゞ かり さま 【女性からお茶を勧められている男性】 おかげでながいひぜんが なをりましてよろこび        まする 【右上の黒い羽織の女性】 こゝろやすいこと 十日のあいだに ついなを   して しんぜ ま  せう 【黒い羽織の女性と机を挟んで向かい合っている男性】 わたくしはさんねん このかたのひぜんで なんぎ いたし   ます なをり  ませう   かな 【薬を持っている格子模様の着物の少年】 此くすりはさきへ おあかり なされませ 【少年と向かい合っている女性】 これは あり がとふ ござり ます 【戯れている二匹の犬】 くん〳〵 わん〳〵〳〵 【乳を吸っている乳児】 うばちゝ たい〳〵 【授乳している女性】 さあお あがり なされ ませ 【指差している男性】 あのおかたが ついなをしてゞ ござる 【赤ん坊を背負った女性】 ひぜんのついなをるつけくすりは うちかた【注】でござります かへ 【注 他人の家の尊敬語。おたく。】 【道に屈んでいる男性】 これから 七里いなん ならん 大きな みち じや ぞ 【左端】 本家調合所《割書:大坂京橋備前嶋町|一名網嶋》加藤権左衛門製 印 売弘所 江戸浅草並木町 叶屋吉兵衛