翻刻
薬料 壱服百廿四文
りびやう薬
《割書:家|伝》超世丸
諸国取次元《割書:大坂中之嶋|大江橋南詰》田中氏
《割書:家|伝》超世丸(ていせいぐはん)《割書:りびやうくすり|いづれも白湯にて用》
一 赤(しやく)白(びやく)痢病(りべう)一切(いつさい)の泄瀉(せつしや)老少(らうせう)男女(なんによ)寒熱(かんねつ)軽(かろき)重(をもき)を問(とは)ず早(はや)く御用ひありて神(しん)の如(ごと)し
或(あるひ)は一日に七八十 度(ど)に及(およ)び百 度(ど)裏急後重(りきうかうぢう)つよくしきりにはら痛(いたみ)手足(てあし)ひへ或は大熱(だいねつ)
にて諸薬(しよやく)応(おう)ぜず九死一生(きうしいつせう)の痢病には半時(はんとき)の内に弐 粒(りう)づゝ三度用ひてよし一度
用ゆればたちまちはらのいたみをとめ裏急後重なく度数(とかず)へりて腹満(はらはり)なし胸(むね)の
痞(つかへ)をさげ寝(ね)入る事ありさめて後大 便(べん)こゝろよく通(つう)じ食気(しよくき)出来(できる)也つゞけて用て猶々(なを〳〵)よし
一 禁口痢(きんこうり)とて初発(はじめ)より熱つよく絶食(ぜつしよく)なる症(せう)ありはやく数粒を用ひてよし
一小児の痢病三四才迄は一粒を三度に用ひ七八才ならは半粒或は一粒痢の軽き重き見合数粒用てよし
一 惣(そう)じて痢病の気ざしあらばはやく御用ひ可被成候たち所に治する事妙也固 油断(ゆだん)すべからず
一 常(つね)の下りはらしぶり腹寒(はらかん)はらしもはらその外かろき腹相(ふくあい)は論(ろん)におよばず
一 産後(さんご)産前(さんぜん)に腹(はら)くだる人に用ひて即功(そくこう)あり破産(はさん)なし兼而(かねて)用てなを〳〵よし
一 老少(らうしやう)男女(なんによ)脾胃(ひゐ)弱(よは)き人または寒夜(さむきよ)老若(らうにやく)小便(せうべん)しげきに常(つね)に用ひてよし
一何病にても痢病とならばはやく御用ひ但し前後半時ばかり他の薬御無用 指合(さしあひ)なしといへども
のみまぜては薬力(やくりき)なし尤此薬御用ひの内 生(なま)なるもの冷(ひへ)なるもの薬喰(くすりぐひ)■【とヵ】ても御 用捨(ようしや)の事
一此薬御用ひの節(せつ)人により少し上気(しやうき)の気味(きみ)ありよろし猶々御用ひの事
右世に超世丸といふもの多(をゝ)し然れ共此方は家伝にして痢を治する事 至(いた)りて妙也此薬を用て
度数(どかず)少(すくな)くなるによつておそるゝ人あり世に多きとめ薬等にはあらず其 発(はつ)する所の病性(びやうせう)に応(をゝ)し発(ほつ)
熱(ねつ)発汗(ほつかん)してとまつて治し又は瀉(くだり)て治するもあり其治方一ならず少も気遣ひなく御用あるべし
自然(しぜん)と内をとゝのへ早(はや)く治する事神妙なり疑(うたがふ)べからず
調合所 防州鹿野市 岩崎伴蔵 【花押?】
諸国取次元《割書: 大坂中之嶋| 大江橋南詰》 田中某
取次所
大阪弘所 《割書:田邊屋橋南詰 帯屋幸助|古川弐丁目 兵庫屋市左衛門》
京都三条高倉下ル 伊勢屋徳兵衛 堺大小路ぬしや町 菓子屋甚兵衛
同 七条油小路西え入 山本弥左衛門 伏見問屋町 木屋武兵衛
江戸山下御門前山下町 出雲屋藤兵衛 兵庫島之上町 今治屋長兵衛
大津川口 舛屋市右衛門 長州赤間関細江 伊予屋久太郎
右取次所は数軒に付別紙口上書に国分して記之売人は出し不申候