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べしこれによつて先(さき)だつて注進(ちうしん)に及(およ)べりと訟(うつた)へしにより。今日(こんにち)当着(たうちやく)の時(とき)早々(さう〳〵)此(この)
議(き)を相謀(あひはか)らんとて。朝鮮王(てうせんわう)自(みづか)ら両使(りやうし)を召(めし)て尋問(たづねとは)る。允吉(いんきつ)が対(こた)ふる処(ところ)全(まつた)
く前(まへ)に述(のぶ)るが如(ごと)し。誠一(せいゝち)に再(ふたゝ)び此議(このき)を尋(たつ)ねらるゝに誠一(せいいち)が荅(こた)へは大(おほい)に相違(さうゐ)し。
何(なに)をもつて兵事(へいじ)の禍(わざは)ひあらんと云事(いふこと)を允吉(いんきつ)は見申(みまうず)や。臣(しん)は且(かつ)て存(ぞん)じ別(わか)
つことなし。允吉(いんきつ)謾(みだ)りに人(ひと)の心(こゝろ)を譟動(さうどう)せしむるに至(いた)るかと云(い)ふ。諸(もろ〳〵)の議(ぎ)
者(しや)あるひは允吉(いんきつ)を主(しゆ)として是(これ)を取(と)るもあり。また誠一(せいゝち)を是(ぜ)なりといへる
者(もの)もあつて一座(いちさ)紛々(ふん〳〵)の説(せつ)やまざりける。時(とき)に柳相(りうしやう)誠一(せいゝち)に向(むか)ひ君(きみ)が言(こと)黄使(くわうし)
と相違(さうゐ)す。万一(まんいち)兵(へい)起(おこ)りて油断(ゆだん)あらば。君(きみ)是(これ)をいかんとかせんと云(い)ふ。誠一(せいゝつ)重(かさ)
ねて吾(われ)と云(い)へども。豈(あに)よく倭人(わじん)の終(つひ)に変動(へんとう)あるまじきといふ事(こと)の見定(みさだ)め
はなけれども。たゞ黄(くわう)が言(こと)のはなはだ重(おも)く申(まうす)を聞(きい)て。朝廷(てうてい)も野外(やぐわい)も以(もつて)の