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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 188

ページ: 188

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路(ぢ)を乗切(のりきつ)て待(まち)かけたるは。数十里(すじふり)の海上(かいしやう)にすべて蒼白(さうはく)の浪(なみ)もなく。紅錦紫繍(こうきんししう)の 船(ふな)やかた粧(よそほ)ひ立(たつ)たる色(いろ)のみなり。かゝる大勢(おほぜい)の真中(まんなか)へ味方(みかた)わづかの小勢(こぜい)にてかゝら んやうはなけれども。左馬助(さまのすけ)の不敵者(ふてきもの)にだしぬかれ諸将(しよしやう)の船共(ふねとも)口惜(くちおし)と思(おも)へる猛(まう) 風(ふう)に浪(なみ)を動(どう)じ我(われ)劣(おと)らじと。手船(てふね)〳〵へ乗(のり)うつるより声々(こゑ〳〵)に水主(すゐしゆ)ども後(おく)るゝ な。揖取(かんどり)いかにと譟(さわ)ぎわめくは偏(ひとへ)に雷鳴(らいめい)の如(ごと)くにて。物(もの)の分(わか)ちも聞(きこ)えば こそ。其間(そのま)に左馬助(さまのすけ)が船(ふね)どもは早(はや)朝鮮(てうせん)の斥候舩(ものみふね)の乗浮(のりうか)めたる真中(まんなか)へ。猶(ゆう) 予(よ)会釈(えしやく)もなく衝(つき)かゝれば。四十 余艘(よそう)の番人(ばんにん)ども弓弩(きうど)鉄砲(てつはう)をそろへて一 度(ど) に打立(うちたつ)ればなか〳〵手易(てやす)くは乗(のり)うつらんやうもなく。流石(さすが)に勇(いさ)める者共(ものども)も少(すこ)し 思惟(しゆい)にわたるを見て。左馬助(さまのすけ)が与力(よりき)なりける塙團右衛門直行(はんだんえもんなをゆき)。水主(すゐしゆ)をはげ まし朝鮮船(てうせんふね)へ近寄(ちかよる)とひとしく。鎖(くさり)の先(さき)にかきのつきたるを敵船(てきせん)へ投込(なげこみ)小縁(こべり)