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にて釜山浦(ふさんかい)をかため居(ゐ)たりしか。此(この)有(あり)さまを見(み)て倭勢(わせい)すでに寄(よせ)たりとて。
上(うへ)を下(した)へと騒動(そうだう)し海陸(かいりく)におりかさなつてひしめきたり。小西行長(こにしゆきなが)是(これ)を
見(み)て大音(たいおん)揚(あげ)て下知(げぢ)しけるは。渡(わた)せや人(ひと)〳〵後(うしろ)を見(み)するな。馬(うま)の足(あし)たゝば
船(ふね)より乗移(のりうつ)れ。海中(かいちう)にて弓(ゆみ)鉄砲(てつはう)放(はな)すべからず甲(かふと)の鉢(はち)をかたむけて。前(まへ)
輪(わ)にひらみて鎧(よろひ)をよく〳〵ゆり合(あは)せよ。人(ひと)にも馬(うま)にも力(ちから)を添(そへ)よ味方(みかた)
渡(わた)らば敵(てき)半弓(はんきう)をあつめて射(ゐ)んずらん。敵(てき)は射(ゐ)ると射(ゐ)かへする相(あひ)た
めして。錣(しころ)を射(い)らるゝなと曳(えい)〳〵声(ごゑ)あげて押上(おしあが)る。行長(ゆきなが)は真先(まつさき)に進(すゝ)ん
で采幣(さいはい)を振(ふ)つて手勢(てぜい)七千 余騎(よき)駈上(かけあが)る。宗対馬守(そうつしまのかみ)をはじめとして
松浦大村(まつうらおほむら)の兵士(へいし)一千二千 騎(き)一むれ〳〵。乗連(のりつれ)〳〵二万 余(あま)りの軍勢(ぐんぜい)
塩(しほ)はな踏立(ふみたて)蹴(け)たてゝ。驀地(まつしくら)になつてかけ上(あが)る。李雄(りゆう)。孟明伯(まうめいはく)。騎射(きしや)の