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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 277

ページ: 277

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槌(つち)なんども折(をり)ふしなかりしを。木戸作右衛門(きどさくゑもん)が才覚(さいかく)にて足軽(あしがる)に下知(げぢ)を加(くわ) へ。鉄砲(てつはう)の台(たい)ともを脱(はづ)させ其筒(そのつゝ)をよき手子棒(てこぼう)となし。大勢(おほせい)門扇(とまへ)に立並(たちなら)び 一 声(せい)に。ゑいといふて推(おし)はなせばさしも丈夫(ぢやうぶ)に構(かま)へたる水門(すゐもん)なりといへとも。一 同(どう)に ぐはら〳〵とこぢ放(はな)ちけるは。いさましくこそ見(み)えたりける。其勢(そのいきほ)ひを抜(ぬか)さず 行長(ゆきなが)馬上(ばしやう)に下知(げぢ)を加(くわ)へ。真先(まつさき)に乗(のり)こめば諸備(しよそない)たれが残(のこ)るべき。我先(われさき)に高名(かうみやう)せん と撃入(うちいり)ける。おもひの外(ほか)矢(や)一 筋(すち)だに射出(ゐいだ)す者(もの)なきのみか。さしもに広(ひろ)き王城(わうじやう)に人(ひと) といふもの隻字(せきし)もなし。人々(ひと〳〵)不審(ふしん)をなし事(こと)のやうすを尋(たづ)ねるに。朝鮮王(てうせんわう) を始(はじ)め諸臣(しよしん)百 姓(しやう)に至(いた)るまで。三日 以前(いせん)に西(にし)の方(かた)へ落行(おちゆき)しと聞定(きゝさだ)め。行長(ゆきなが)は 先(まづ)軍中(くんちう)に法令(はうれい)を出(いだ)し。第一(だいゝち)に軍隊列(くんたいれつ)を混(みだ)して王宮(わうきう)に入(いる)べからず。濫(みだり)に民家(みんか) に込入(こみいつ)て宝器(はうき)金銀(きん〴〵)を取(とる)べからず。酒家(しゆか)に入(いり)かたく是(これ)を飲食(ゐんしよく)すべからず。婦(ふ)