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門助則(もんすけのり)に命(めい)してさしむける。村上(むらかみ)衣笠(きぬがさ)の両人(りやうにん)は東西(とうざい)へ兵(へい)を出(いだ)し船(ふね)をもとめ。
または筏(いかだ)などをこしらへ翌(よく)十二日の未明(みめい)に乗出(のりいだ)し数(す)十 艘(さう)かけならべたる敵船(てきせん)
の真中(まんなか)へ乗込(のりこみ)。鉄砲(てつはう)を打(うち)かけひるむところを十文字(じふもんじ)のうちかきにて。引(ひき)よせ〳〵
大船(たいせん)二 艘(さう)に乗(のり)うつり。敵兵(てきへい)あまた討取(うちとり)ければ朝鮮人(てうせんじん)大(おほい)におそれ。開城(かせん)を
さして逃行(にげゆき)ける。これによつて日本勢(につほんぜい)諸軍(しよぐん)をまとめて進(すゝ)み行(ゆく)
加藤清正(かとうきよまさ)王子(わうじ)を追(おひ)かくる事(こと)
斯(かく)て加藤 主計頭清正(かずへのかみきよまさ)は。朝鮮国(てうせんこく)の王城(わうじやう)を起(た)つてより十三日の道程(だうてい)を
過(す)ぎ来(きた)り。咸鏡道(ゑあんだう)の境(さかひ)なる安辺府城(あへんふじやう)に到著(たうちやく)し。爰(こゝ)にてしばらく
人馬(にんば)の息(いき)を休(やす)めける。扨(さて)また鍋島直茂(なべしまなほしげ)は江原府(こうげんふ)に打出(うちいで)て。此所(このところ)を
陥(おと)しいれ鍋島平五郎茂里(なべしまへいごらうしげさと)といへる者(もの)を。番手(ばんて)にさし置(おき)其外(そのほか)所々(しよ〳〵)