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れば穀々賀(こく〳〵が)兄弟(けうだい)を討(うつ)て追善(つひせん)に手向(たむけ)べしと。自(みつか)ら意丹城(いたんじやう)の追手(おふて)へ馳到(はせいた)り
真先(まつさき)に進(すゝ)み乗入(のりい)らんとせし時(とき)。城中(じやうちう)よりも討(うつ)て出(いで)こゝを大事(たいじ)と防(ふせ)ぎける
時(とき)。穀々賀(こく〳〵か)は剣(けん)【釼は俗字】を廻(まわ)し群集(むらかる)日本勢(につほんぜい)の真中(まんなか)へ馳入(はせいり)。竪横(じふわう)に当(あた)りて戦(たゝか)ひける
を清正(きよまさ)が兵(へい)。見知(みし)りし者有て穀々賀(こく〳〵が)なるよしを告(つげ)ければ。清正(きよまさ)大(おほい)に歓(よろこ)ひて
一 文字(もんじ)に馬(うま)を駈寄(かけよせ)討(うつ)てかゝる。穀々賀(こく〳〵が)も心得(こゝろえ)たりと二(ふ) ̄タ打(うち)三打(みうち)うち合(あひ)けるが。穀(こく)
々賀(こくが)は大力無双(たいりきぶそう)の者(もの)なれば。組(くん)で勝負(しやうぶ)を決(けつ)せんと無二無三(むにむざん)に組付(くみつき)けるを。清(きよ)
正(まさ)少(すこ)しもひるまず組合(くみあひ)しが。忽(たちま)ち首筋(くびすぢ)へ手をかけ力(ちから)にまかせてしめつくるゆゑ
さすがの穀々賀(こく〳〵が)も働(はたら)きえず。清正(きよまさ)は其(その)まゝ曳(えい)と声(こゑ)かけ馬上(ばじやう)より投出(なげいだ)せば。
従兵(じうへい)忽(たちま)ち馳寄(はせより)生捕(いけどり)にこそなしたりける。是(これ)を見るより穀々理(こく〳〵り)兄(あに)を奪(うば)ひかへ
さんと。八 尺(しやく)余(あま)りの棒(はう)を打振(うちふ)り日本勢(につほんぜい)を或(ある)ひは薙伏(なぎふせ)あるひは打倒(うちたふ)して。