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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 332

ページ: 332

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五六 寸(すん)もあらんかとおもふ大男(おほおとこ)面(おもて)は真黒(まつくろ)にして。さながら悪鬼(あくき)の如(ごと)くなる者(もの)丈(たけ)五 尺計(しやくばかり) にして。握(にき)り太(ふと)なる鉄(てつ)の棒(ばう)を麻殻(おがら)の如(ごと)く打振(うちふ)り。大九郎(だいくらう)を目(め)かけて打(うつ)てかゝる。大九郎(だいくらう) 立向(たちむか)ひ四 尺(しやく)五 寸(すん)の大太刀(おほだち)にて秘術(ひしゆつ)を尽(つく)して戦(たゝか)ひども。たやすく討取(うちとり)がたくおもへければ大(だい) 九郎(くらう)あしらひかねたる体(てい)にもてなし。馬(うま)をかへして逃出(にけいづ)れば敵(てき)は大(おほい)に怒(いか)り鐘(つりがね)の如(ごと)き声(こゑ) を発(はつ)して。驀地(まつしぐら)に追(おひ)かけ来(きた)るを大九郎(たいくらう)仕済(しすま)したりと急(きふ)にふりかへり。大太刀(おほだち)にて横(よこ) さまに薙(なぎ)たりければ。敵(てき)は不意(ふい)を討(うた)れ左(ひだ)りの肩(かた)より胸(むね)のあたりまて切付(きりつけ)られ。馬(うま)よ り下(した)へ落(おち)けるを。大九郎(たいくらう)すかさず馬(うま)より飛下(とびお)り押(おさ)へて首(くび)をぞ掻(かい)たりけり。こゝに於(おゐ) て敵(てき)は四方八方(しはうはつはう)へ逃散(にげちる)を。加藤勢(かとうぜい)追詰(おひつめ)〳〵敵(てき)を討(うつ)ことその数(かず)しれず。扨(さて)斎藤(さいとう)井(ゐの) 上(うへ)は長追(なかおひ)悪(あし)かるべしと人数(にんず)をまとめ。清正(きよまさ)の跡(あと)をしたふて馳(はせ)たりける。かくて清正(きよまさ)は 安辺(あんへん)へと急(いそ)がれしが。後殿(しんがり)の味方(みかた)狄兵(てきへい)と戦(たゝか)ひ。二時計(ふたときばかり)もおくれければ心易(こゝろやす)からずおも