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是(これ)そ此中(このうち)の大将(たいしやう)と見(み)てけれは。馬(うま)を馳寄(はせよせ)渡(わた)り合しばし互(たかひ)に挑(いど)み戦(たゝか)ひけるが。双方(さうはう)
ふみ込(こみ)相突(あひつき)にしたりしに。与左衛門(よさゑもん)か長刀(なきなた)月縁子(げりす)が内甲(うちかふと)を突(つい)たり月縁子(げりす)が矛(ほこ)
は与左衛門(よさゑもん)が鼻紙入(はなかみいれ)の上(うへ)に当(あた)りたり。されども具足(くそく)つよくして裏(うら)かゝず。月縁子
は内甲(うちかふと)を突(つか)れて馬(うま)より落(おつ)るところを。与左衛門(よさゑもん)長刀(なぎなた)を取直(とりなほ)し丁(てう)と切(き)れば。左(ひだ)り
の股(もゝ)をしたゝかに切込(きりこん)だりければ何(なに)かはもつてたまるべき大地(だいち)へ摚(どう)と倒(たふ)れけるに
加藤(かとう)が郎等(らうとう)はしり寄(より)押(おさへ)て首(くび)を掻(かい)たりける。残(のこ)る敵(てき)は散々(さん〳〵)になつて逃行(にげゆく)を
赤星太郎兵衛(あかぼしたろべゑ)与左衛門(よさゑもん)追(おひ)かけ敵(てき)を討(うつ)こと二百三十一人と記(しる)したり扨(さて)又(また)島鶏(とうけい)
館(くわん)へ向(むか)へたる。井上 大九郎(たいくらう)鵤平治(いかるかへいち)小代下総守(こしろしもふさのかみ)の三人は勇(いさ)み進(すゝ)んで攻(せめ)かゝる清正
は籏本(はたもと)の勇兵(ゆうへい)に鉄砲(てつはう)を取持(とりもた)せ歩行立(かちたち)となして後(あと)を誥(つ)め。曳々(えい〳〵)声(こゑ)を出(いた)して攻(せめ)
入(い)らんとす征東使(せいとうし)伯寧(はくねい)はいまだ催促(さいそく)の兵(へい)も来(きた)らず。一万 余(よ)の兵(へい)を下知(けぢ)して