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悟(ご)をきはめ先(まづ)手配([て]くば)りをぞなしたりける。先手(さきて)は加藤与左衛門(かとうよざゑもん)。水野三郎衛門(みづのさふらうさゑもん)。
原田五郎左衛門(はらだこらうざゑもん)。天野助左衛門(あまのすけざゑもん)。其勢(そのせい)二千 余騎(よき)にて鎗(やり)を小膝(こひざ)にのせて。敵(てき)かゝらば
突崩(つきくづ)さんと敵陣(てきぢん)を白眼(にらん)で扣(ひか)へたり。次(つぎ)に加藤清兵衛(かとうせいべゑ)。小代下総守(こしろしもふさのかみ)。近藤四郎(こんとうしらう)
右衛門(ゑもん)。安田善助(やすだせんすけ)。に五百 余騎(よき)の先手(さきて)崩れなば入かはらんと。勇気(ゆ[う]き)をふくんで扣(ひか)へ
たり。左(ひだ)りの山(やま)の尾(を)さきには山口与惣右衛門(やまくちよそうゑもん)。斎藤立本(さいとうりうほん)。大脇治部右衛門(おほわきじぶゑもん)二千 余(よ)
人にて横槍(よこやり)を入(いれ)て敵(てき)を切崩(きり[く]つ)さんと待(まち)うけたり。三 陣(ぢん)は清正(きよまさ)の本陣(ほんぢん)なれは妙法(みやうほう)
の籏(はた)を山風(やまかぜ)に吹(ふき)なびかせ。銀(ぎん)のばれんの馬印(うましるし)を日(ひ)にかゞやかし其下(そのもと)に清正は
銀(ぎん)三 尺(じやく)の立帽子(たてえぼし)の兜(かふと)を着(ちやく)し。大兼光(おほかね[み]つ)の太刀(たち)を横(よこ)たへ例(▢▢)の大十文字(▢ほじふもんじ)の鑓(やり)を
持(もつ)ては八方(はつはう)へ眼(まなこ)を配(くば)つて扣(ひか)へたり。左右(さいふ)には木村又蔵(きむらまたぞう)なんどといへる一 騎当千(きとうせん)の勇士(ゆうし)。
二百 余人(よにん)得物(えもの)〳〵を持(もつ)て大将(たいしやう)を守護(しゆご)する有(あり)さま。実(まこと)に勇々(ゆゝ)にしくぞ見(み)へたりける