Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 370

ページ: 370

翻刻

    東征使(とうせいし)伯寧(はくねい)両王子(りやうわうじ)にまみゆる事(こと) かくて清正(きよまさ)は十月九日の晩景(ばんけい)に。東泉城(とうせんじやう)へ着(つき)しかば田守久太夫(たもりきうだいふ)前野助兵(まへのすけべ) 衛(ゑ)むかひとして出来(いできた)り。死(しゝ)たる人に逢(あふ)如(ごと)く互(たがひ)に歓(よろこ)び先(まづ)城(しろ)に案内(あんない)し。其(その)軍(ぐん) 労(らう)をなぐさめける。清正(きよまさ)はこゝにて将卒(しやうそつ)ともに鎧(よろひ)をといて休足(きうそく)なし。両王子(りやうわうじ)に 対面(たいめん)し東征使(とうせいし)伯寧(はくねい)を擒(とりこ)となしたるよしを語(かた)り。召出(めしいだ)して両王子(りやうわうじ)にま みえしむ。伯寧(はくねい)は地上(ちしやう)にひれふし涙(なみた)をながし。何(なに)かいろ〳〵と言葉(ことば)を発(はつ)す といへども。清正(きよまさ)にはすこしもわからねば通辞(つうし)に是(これ)を尋(たづ)ねけるは自害(じがい)にても願(ねが)ふ ことにやと問(とふ)。通辞(つうし)荅(こたへ)て左(さ)にあらず此(この)東征使(とうせいし)伯寧(はくねい)は元(もと)身(み)いやしき者なりしが 朝鮮王(てうせんわう)の御《割書:ン》ゑらみによつて大国(たいこく)を下(くだ)し給はり。武官(ぶくわん)となりて朝鮮(てうせん)八 道(だう)の 内(うち)。江原(こうげん)。黄海(ばはい)。平安(へあん)。咸鏡(はみきやん)。四 道(たう)の大将(たいしやう)を命(めい)ぜられしに。其(その)甲斐(かひ)もなく一 戦(せん)に打