Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 405

ページ: 405

翻刻

兵(へい)を進(すゝ)むること是(これ)約(やく)をそむくといふものなり。しかれば今(いま)も我国(わがくに)と和(わ)せんとお もはゞ。先(まづ)其兵(そのへい)を退(しりそ)けよ其後(そのゝち)和解(わかい)をなさんといふ。調信(しげのぶ)これを聞(きい)て貴方(きはう)我(われ) 等(ら)が言(いふ)ところを用(もちひ)ずして。郛郭(しろくるは)を完(まつ)とふして民人(みんじん)を聚(あつ)め我兵(わがへい)をいよ〳〵 拒(ふせ)がんとおもはゞ。これを拒(ふせ)ぎて見(み)よ汝(なんぢ)の大王(たいわう)。何(なに)ほどの兵数(へいすう)を聚(あつ)め鴨緑江(あふりよくこう)を 隔(へだて)にとりてさゝへんと欲(ほつ)すとも。我将士共(わかしやうしとも)鼓(つゞみ)【皷は俗字】をならしてこゝをもやすく攻破(せめやぶら)ん ぞ。此上(このうへ)は速(すみやか)に和(わ)を請(こふ)ともまた防(ふせ)ぐとも。汝等(なんぢら)が意次第(こゝろしだい)なり。斯(かく)言(いふ)を聞(きか)ずして 後悔(こうくわひ)すとも益(えき)あらじと云(いひ)すてゝ。互(たがひ)に舟(ふね)を乗別(のりわけ)てこそかへりけれ。こゝにおゐて 遂(つひ)に和睦(わぼく)のこともやぶれたり。されは調信(しげのぶ)等(ら)行長(ゆきなが)の陣所(ぢんしよ)に至(いた)り。此(この)おもむき を語(かた)りけるに小西(こにし)は聞(きい)て大(おほい)に怒(いか)り我(われ)彼国(かのくに)を亡(ほろぼ)さんことの本意(ほんい)なさに。兼(かね) てさま〳〵の言(ことは)を尽(つく)させ。善(ぜん)を告(つぐ)れば却(かへつ)てこれを聞(きか)ず。此上(このうへ)は速(すみやか)に江(え)を渡(わた)り