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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 433

ページ: 433

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く山谷(さんこく)に逃(のが)れ去(さり)て一人の形(かたち)も無(なか)りけるゆゑ。軍人(ぐんじん)ともを村居(むらゐ)の間(あひた)にさし遣(つかは)して。 これ等(ら)をさがしもとめさすれば。やう〳〵に役人(やくにん)数人(すにん)を尋(たづ)ね出(いだ)して連来(つれきた)る。柳成(りうせい) は彼(かの)者(もの)どもに向(むか)つて汝等(なんぢら)平生(へいぜい)上(かみ)の御恩(ごおん)を身(み)にうけ。妻子(さいし)を養育(やういく)したる身(み)の今(いま) に至(いた)つて何(なん)ぞ。主恩(しゆうおん)を忘(わす)れ果(はて)て身(み)をかくしけるや。大明(たいみん)の大兵(たいへい)すでに近日(きんじつ)にこの 国(くに)に到著(たうちやく)すと聞(きこ)へたれば。国家(こくか)の急事(きふじ)まさに此時(このとき)なり。又(また)賊(ぞく)を退(しりぞ)け大平(たいへい)の日(ひ) を得(え)んことも。今(いま)にあり汝(なんぢ)が輩(ともがら)大功(たいこう)を立(たて)んことも。かまへて又(また)此時(このとき)なるぞと云(いひ)さと し。彼等(かれら)が心(こゝろ)を励(はげま)さんためなれば。一ツの帳面(ちやうめん)を作(つく)り只今(たゞいま)功(こう)ある輩(ともがら)をば。此(この)帳(ちやう)に しるして重(かさ)ねて働(はたら)きの多少(たしやう)を論(ろん)じ。賞禄(しやうろく)を与(あた)ふべし若(もし)また。その力(ちから)を尽(つく)さ ず。惰(おこたり)ある者(もの)あらば常刑(じやうけい)をもつて罸(はつ)せんと云(いひ)ければ。此(この)ことを聞伝(きゝつた)へ多少(そくばく)の人民(じんみん) 出来(いできた)り。其(その)姓名(せいめい)を訴(うつた)ふるに。一々(いち〳〵)に彼(かの)帳面(ちやうめん)に書記(かきしる)し。後日(こにち)に事(こと)を正(たゞ)さんとす。成龍(せいりやう)