Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 52

ページ: 52

翻刻

至(いた)つて朝鮮(てうせん)の国都(こくと)にして。長安城(ちやうあんじやう)と名付(なづく)るなり。城野(じやうや)の外(そと)に一 方(はう)は高山(かうさん)廻(めぐ)り つゞき。盤石(ばんじやく)峙聳(そはだちそび)へて険隘(けんあい)自(おのづから)の。要害(やうがい)を其儘(そのまゝ)の城郭(じやうくはく)に用(もち)ひたれば。堅固(けんご)宜(よろ) しき外関(くわいくわん)たり。内(うち)には万民(ばんみん)居所(きよしよ)を安(やすん)し市店(してん)商肆(せうし)は。町(まち)を連(つら)ね售物(うりもの)をそ なへ。高堂(かうとう)楼閣(ろうかく)軒(のき)を重(かさ)ねたるは寺院(じゐん)あり。官所(くわんしよ)もあり真俗(しんぞく)貴賤(きせん)交会(かうくわい) 男女(なんによ)その業(ぎやう)をたのしめば。実(じつ)に一 方(はう)冨饒(ふにやう)の境(けやう)たり。南郊(なんかう)は広(ひろ)く開(ひら)け浿水(ばいすい)を 限(かぎ)つて喉(のんど)とし。別(べつ)に王宮(わうきう)を構(かま)へ其基(そのもとい)塁土(つちをかさね)疂石(いしをたゝん)で。高(たか)く。土屏(どべい)を築(きづい)て溝濠(みぞほり) ふかくしたゝめ。乃(すなは)ち浿水(ばいすい)の流(ながれ)を引(ひい)て深(ふか)き淵(ふち)を湛(たゝへ)たる。たとひば河伯(かはく)魚鼈(ぎよべつ)たり とも漂瘍(みつにふか)れて。なか〳〵易(やす)くは渡(わた)り得(う)べからざるの急流(きふりう)たり。それより左(ひだ)りの方(かた)を 望(のぞ)めば。遥々(はる〳〵)と路隔(みちへだ)たりて国内城(こくないじやう)と。漢城(かんじやう)と雲(くも)を衝(つ)き山巓(さんてん)に兀然(こつぜん)たるは。唐(とう) の代(よ)より此所(このところ)朝鮮国(てうせんこく)の別都(べつと)と定(さだ)め。壁(るい)をかさね塹(みぞ)を深(ふか)くし。一 方(はう)の不虞(ふぐ)の