← 前のページ
ページ 66 / 451
次のページ →
翻刻
云(いふ)を立(たつ)て百済王(ひやくさいわう)となし給ふ。此時(このとき)の事(こと)かとよ王仁(わうじん)と云(い)へる博士(はかせ)論語(ろんご)等(とう)の書(しよ)を持(じ)
して來朝(らいてう)し。絹(きぬ)を織(をる)工人(たくみにん)糸綿(いとわた)をつみ縫者(ぬふもの)までこと〳〵く添(そへ)て奉(たてまつ)るなり。応神(おうじん)
の御(お) ̄ン嗣(つぎ)仁徳天皇(にんとくてんわう)の御宇(ぎよう)。新羅(しんら)重(かさ)ねて日本(につほん)の命(めい)を違背(いはい)するの情(じやう)あらは
るれば。田道(たみち)をして是(これ)を討伐(とうばつ)す。此時(このとき)高麗(こうらい)もすこしく野心(やしん)の意(こゝろ)あるにより。
日本(につほん)の才藝(さいけい)を計(はか)り見(み)んとや思(おも)ひけん。鉄(てつ)にて認(したゝ)めたる楯板(たていた)同(おなしく)的(まと)を奉(たてまつ)る。
天皇(てんわう)これを察(さつ)し給へばすなはち。彼国(かのくに)の使者(ししや)を内裏(たいり)へ召(めさ)れ盾人宿祢(たてひとのすくね)と
云(い)ふ強弓(がうきう)の者(もの)に仰(おふ)せて。鉄(てつ)の的(まと)を射通(いとほ)さしむ。かの使者(ししや)大(おほい)に畏(おそ)れて舌(した)を捲(ま)く
。また此(この)御宇(ぎよう)に百済(ひやくさい)より酒(さけ)の君(きみ)と云人(いふひと)來(きた)りで鵰鷹(しうよう)【左ルビ:たか】の鳥(とり)を取(と)る術(じゆつ)を教(おしへ)たる
鷹狩(たかがり)の始(はじめ)なり。同(おなじ)き二十七 代(だい)継体天皇(けいたいてんわう)の御宇(きよう)。筑紫(つくし)に岩井(いわゐ)と云者(いふもの)あり
て謀叛(むほん)を起(おこ)し。肥前(ひぜん)肥後(ひご)豊前(ぶぜん)豊後(ぶんご)を押領(おうりやう)し。三韓(さんかん)の貢物(みつぎもの)を中途(ちうと)に