翻刻
【右丁】
書(かき)し白痴(たわけ)なやつと人の譏(そし)らむ
事を爪(つめ)とる鋏(はさみ)できらりと思ひを
かる石(いし)で踉(かゝと)の厚皮(あつかは)をこする
心地(こゝち)してかくばかり嗚呼(あゝ)
湯あがりに満尾(まんひ)の紅(くれない)奈(な)るを
夫(それ)如何(いかん)ぞせむ
【左丁】
湯(ゆ) 語(ご) 教(けう)
《振り仮名:薪高故不_レ焚_二多分_一|まきたかきがゆへにたんとたかず》 《振り仮名:以_レ有_二古木_一薪為_レ貴|ふるきあるをもつてまきたつとしとす》
《振り仮名:株肥故預人不_二引合_一|かぶこひたるがゆへにあづかりにんひきあはづ》 《振り仮名:以有_二【三点は誤】客数多_一為_レ貴|きやくたんとあるをもつてたつとしとす》
湯屋者是一生財(ゆやはこれいつしやうのたから) 身滅則子株主成(みめつしてもすなはちこはかぶぬしとなる)
湯株是万代之財(ゆかぶこればんだいのたから) 《振り仮名:命終而必勿_二【一点は誤】滅事_一|いのちおはつてもかならずめつすることなかれ》