翻刻
の徳(とく)ならずや無筆(むしつ)むざんではじめ
てもやす〳〵暮(くら)して過ぎぬるは則(すなはち)洗湯(せんとふ)
人ころさずさればにや銭湯(せんと)に五常(ごぜう)
の道(みち)あり湯(ゆ)をもって身(み)をあたゝめ垢(あか)を
落(おと)し病(やまひ)を治(じ)し草臥(くたびれ)を休(やす)め疾(しつ)ひぜん
にはかゆみをとめ心(こゝろ)よく其夜(そのよ)とつくり臥(ふさ)し
めるのは是(これ)則(すなはち)仁(じん)ならずや小桶(こおけ)のお明(あき)は
御坐(ござ)りませんかと他人(たにん)の桶(おけ)に手(て)をかけず
留桶(とめおけ)を我儘(わがまゝ)に遣(つか)はず又 急(いそい)で明て貸(かす)
たぐひ懇意(こんい)の仁(ひと)には汲(くん)で置(おく)抔(なぞ)是(これ)全(まつた)く
義(ぎ)也 田舎者(いなかもの)で御ざい冷物(ひへもの)で御ざひ御 免(めん)
なさい或(あるい)はおゆより又は御先(おさき)へと演(の)べ或(あるい)は