翻刻
【右丁】
當候也と尋候處辰巳之方江指し申候いづ方
之舩ぞと申候處「センタヘ」と申是ゟ東北江乗
出し南江轉し十月初メ「ウワホー」江着帆仕候承
候得共此度入津之舩に日本人弐人乗り罷在
候趣ニ付早速小舩ニ乗り其舩ニ参り候処傳蔵五
右衛門罷在久振りニ而對面仕り重助病死仕候ニ付
此度兄弟弐人帰朝として便舟いたし候処云々之
事にて本意ヲ遂ケ不申又々此湊江帰り候由即日
「デべス」開帆ニ付旬々ニ相別はたか嶋近邊を鯨
【左丁】
漁し戌亥江乗り翌年申ノ二月頃また「キユーヱ
ン」に着十日斗滞留薪水を取り入申候「デべス
俄風と狂氣仕軍装束いたし豚ヲ打殺し或ハ
人ニ組かゝり女ヲ犯すよふの事仕抔いたし本心
無之ニ付急キ呂宋江参亜米利幹ゟ置有之役
所江頼置申候此所入江之大湊にて繁花の地ニ御
座候所之名ヲ「セ子ラ」と申候西洋東洋着用之
笠を多爰ニ而出来申候人物者 亜細亜(アジヤ)種ニ而清
国之人多罷在候 莫咭利(イキリス)之軍舩商舟夥く