翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

漂客談寄 - 翻刻

漂客談寄 - ページ 4

ページ: 4

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【右丁】  辰巳之方江流レ行申寒風は身ヲ透し  一同凍居ずくまり唯神仏ヲ祈念仕候之み  ニ而傳蔵壱人楫ヲ取罷在朝ニ相成候処舟に  いたみハ無之候得共櫓は流て壱挺もなくなり  風者猶々甚しく大小の帆柱ヲ明床へ横に詰  付覆らぬ用心仕候風ニ任せ流行候処ニ地方の  山は見へ候得共乗寄候儀難斗遂に山も見  失ひ九日目ハ用意米佛底仕候ニ付釣溜候魚を  たへ飢えヲ凌き罷在十日ニ者雨降り出し寒風強 【左丁】  苫を焚少々あたゝまり纔ニ残り候𩵋ヲ分  給申候ケ様飢凍なから日暮夜も明ケ十三日  之晩景ニ東南と相覚候方へ山ヲ見付島も  かすかに見へ候間傳蔵申候者此トヲクロという言  島の居候ヲ見れは必嶋なかるへし何卒流付  候様いたし給れと神佛祈念シ其日の夕方ニとふ  〳〵流付候処壱ツの嶋にて御座候されども風波  はげしく飢も疲も甚し先碇ヲ下し其儘  漂ひ罷在候処磯𩵋沢山見候間釣垂候處多く