翻刻
【右丁】
ぎ付候処彼人亦外ニ連は無之哉といふよふ
之手真似いたし候間洞穴之方ヲ指し二人残
居候段手真似仕候得共外ニ壱艘之舩ニ真黒キ
人ヲ乗洞穴之方江漕廻し申候此時傳蔵者
洞之中ニ而重助看病いたし罷在候処洞口江鍋
尻ニ目と歯ヲ付候様之者来り何欤傳蔵
を引出せんと仕候ニ付おそろしく存振もぎり
候処色白キ異人参り外三人も舩ニ参り居
候よふ之手真似いたし候間夫ニ随ひ彼舟に
【左丁】
乗り申候重助者彼黒キ人ニ抱かれ舩ニ乗り申候
則弐艘共彼大舟に漕付上り候処長サ三拾けん
幅六間斗ニ而帆柱三本建有之舩ニ而異びと
拾人斗乗居申候殊之外丁寧なる扱ひニ而薬
幷筒袖之着もの壱枚ツヽ貰ひ受色々介抱ニ
預り其上彼人嶋に取残し置たる物は無之哉と
いふ様之手真似いたし候間衣もの残し置た
る手真似仕候処また小舩ヲおろし黒キ人乗
嶋ニ漕付着物取入戻り申候三日程日ヲ經候迄者