翻刻
【右丁】
[又]杉脂(すぎやに)又は桧脂(ひのきやに)丸(ぐはん)じて。むし
歯(は)のあなに入よし
[又]螻蛄(けら)。焼(やき)粉(こ)にして絹(きぬ)に包(つゝみ)。大豆(だいづ)
の大さにし。いたむ所にあてゝ吉
[又]胡椒(こせう)一/粒(りう)。あつき湯(ゆ)にひたし
て。上皮(うはかは)を取(とり)。きれにつゝみふくみ吉
[又]亀尾(いしがめのお)をとり。一/寸(すん)ばかりに切(きり)。
ほし皮(かは)をさり。いたむにくはへ吉
[又]馬歯(むまのは)を粉(こ)にして。きぬに
つゝみ。ふくみてよし
[又]松心(まつのしん)或(あるいは)節(ふし)を。黒焼(くろやき)粉(こ)にして。
【左丁】
松(まつ)やうじにて歯(は)の間(あいだ)にさし入吉
[又]犬山椒根(いぬざんせうのね)。せんじふくみて吉
[又]啄木(きつゝき)《割書:けらつゝき|とも云》觜(はし)をとり痛(いた)む
所にさして吉。又 葱白根(ねぎのしらね)を。ごま
の油(あぶら)にて煮(に)【注①】あたゝめふくみて吉
[又]髪剃砥(かみそりど)粉(こ)にして。ごまの油
にてとき。右(みぎ)痛(いた)むには左(ひだり)。左(ひだり)痛(いたむ)には
右(みぎ)の方(かた)の耳(みゝ)の内(うち)に入てよし
[又]芹(せり)の葉(は)をもみ汁(しる)をとり。
少(すこし)みゝに入てよし
[又]蜣螂(くそむし)【注②】やき虫歯(むしば)の穴(あな)に入よし
【注① 「に」の終画が消えていると思われる。】
【注② 辞書に「螂は蜋と同じ」とあり。俗字や譌字・略字ではない。】