翻刻
【右丁・挿絵】
居合(ゐあひ)
【左丁】
抜(ぬけ)とも物(もの)に障(さわら)ず其力(そのちから)の出入(しゆつにう)和(やは)らかなること見物(みもの)也 人(ひと)の
眼(め)に見(み)へさる程(ほと)の業(わざ)戦場(せんしやう)は勿論(もちろん)行住(きやうちう)坐臥(ざぐわ)両刀(りやうとう)取廻(とりまは)
し格別(かくへつ)なるもの也 是(これ)も諸流(しよりう)多(おほ)し
剣術(けんしゆつ)
剣術(けんしゆつ)は武家(ふけ)第一(たいいち)の芸術(けいじつ)にて人々 常々(つね〳〵)別而(へつして)嗜(たしむ)
へき業(わざ)也 当時(とうじ)に至(いた)りては其流義(そのりうぎ)種々(さま〳〵)に分(わか)りて夫々(それ〳〵)
夥(おひたゞ)しといへども其本意(そのほんい)に至(いた)つては諸流(しよりう)とも同意(とうい)也
其橋古(そのけいこ)日にも心持(こゝろもち)よくは食物(しよくもつ)等も能程(よきほと)したゝめ心気(しんき)
をしつめ己(おのれ)があやまちなからん事(こと)を先(さき)とし相人(あいて)の
透間(すきま)をねらふへきを肝要(かんやう)とす然(しか)る上(うへ)は胸膈(けうかく)