翻刻
【右丁・挿絵】
【左丁】
○若(わかし)とて堅(かたき)なくひそ老(おい)て後(のち)必(かなら)ずそれが歯(は)の毒(とく)となる
老人
○老人(らうじん)は縦令(たとへ)なるとも我慢食(がまんくひ)我慢力(がまんちから)に我(が)まん道(みち)すな
○老人はえて飲食(いんしよく)にむせるなり物(もの)くう前(まへ)に素湯(さゆ)呑(のん)てくへ
○老人は余(あま)りに怒(いか)り腹立(はらたて)ず物(もの)に感心(かんしん)歎息(たんそく)をすな
○老人は芝居(しはゐ)浄瑠璃(しやうるり)読本(よみほん)の義理(きり)に感(かん)して落涙(らくるい)は毒(どく)
○老人と秋(あき)の暑(あつさ)はつよくともおとろひやすき物(もの)とこそしれ
○年(とし)よらば漸(やうや)く事(こと)をはふくべしこと多(おほ)ければ心気(しんき)つかるぞ
○限(かきり)ある齢(よは)ひを持(もち)て限(かき)りなき事を願(ねが)ふはあやうかりけり
○歯(は)の落(おち)て頭(かしら)に霜(しも)の置(おく)ならば年(とし)の暮行(くれゆく)用心(ようしん)をせよ