翻刻
【右丁・挿絵】
納涼
【左丁】
○一日(いちにち)の暑(あつ)さを凌(しの)く夕(ゆふ)すゝみ夜気(やき)にあたらぬ用心(ようじん)をせよ
○夕立(ゆふたち)の俄(にはか)にふらは舟(ふね)よせて年(とし)より小供(ことも)茶屋(ちやや)へあくべし
○五里七里又は十里の舟路(ふなち)をも夕立(ゆふたち)降(ふら)ば用心をせよ
○一日に着(つく)べき舟路(ふなち)俄雨(にはかあめ)逆風(きやくふう)出(いて)ば陸路(くがぢ)ゆくべし
衣類(いるい)
○衣類(いるい)こそ暑寒(しよかん)をしのく為(ため)なれば美麗(びれい)を止(やめ)て麤服(そふく)用(もちひ)よ
○礼服(れいふく)の外(ほか)は麤服(そふく)そ薬成(くすりなり)木綿(もめん)つむきがことさらによし
○老人(らうじん)は成(なる)べきならばきぬ紬(つむき)綿布(めんふ)用(もち)ひば地(ぢ)薄(うすき)にせよ
○夏(なつ)は猶(なを)繻伴(じゆはん)腹懸(はらかけ)放(はなす)まじ寐(ね)ひへをせざる用心をせよ
○旅先(たひさき)は猶(なを)腹懸(はらかけ)をはなすまじ疲(つか)れて寐(ねれ)ばえてね冷(ひへ)する