翻刻
【右頁】
前(まへ)の食に厚味(こうみ)しよくせばその次(つぎ)は
あぢはい淡(あは)きものを食せよ
むましとも八(はつ)九(く)/分(ぶ)/喰(くは)ば足(たる)とせよ
十分(じふぶん)ゆへに身の害(かい)となる
一(ひと)しなを偏(へん)に食して害なきは
飯(めし)と汁(しる)との二(ふた)つなりけり
菜(さい)の類(るい)はその時々(とき〳〵)に取(とり)かへよ
おなじ品(しな)のみ偏(へん)に食すな
食事して直(ぢき)にいぬれば食もたれ
やがて病になるものとしれ
【左頁】
食後(しよくご)まづ額(ひたい)と両(りやう)の頬(ほう)までを
自身(みづから)数度(すたび)撫(なで)おろすべし
食後には縦(たて)横(よこ)数間(すけん)あゆむべし
しよく気(き)めぐりて養生によし
食事(しよくじ)せば立(たち)はたらきて時(とき)をうつし
一時(ひととき)ばかり過(すぎ)てねよかし
食/物(もつ)はこなれやすくてやはらかに
あぢはひ淡(あは)き品(しな)のみぞよき
厚味にて重(おも)きはもたれ硬(こはき)もの
冷(ひえ)たるしなも多(おほ)く食すな