翻刻
天然(てんねん)の福禄寿(ふくろくじゆ)は天命(てんめい)の定(さだま)りありて人力(じんりき)にて延縮(のひちゞみ)の
ならぬものとおもふ人/多(おほ)し是を然(しか)らずといふはあらざれ
ども人力(じんりき)にて出来(でき)ることも又多し勉(つとめ)て其身を全(まつた)ふし
親(をや)の志(こゝろざし)を養(やしな)ひ万善(ばんせん)の長(ちやう)たる孝(かう)の道をつとむれは親
もよろこび其身も慊(こゝろよ)く長生(ちやうせい)する事/白昼(はくちう)に/掌(たなこゝろ)を
見るがごとくなる故/題(だい)して女(め)の子算(こざん)としかいふ
辻 慶 儀
養生(やうじやう)めの子ざん
中庸(ちうよう)に/曰(いは)く。天(てん)の命(めい)これを性(せい)といふ性に/率(したが)ふこれを
道(みち)といふ道(みち)を脩(をさむ)るこれを教(おしへ)といふと天は万物(ばんぶつ)を生(うみ)
出(いだ)し万物を養(やしな)ひたまふ事/聖人(せいじん)の子を育(そだて)たまふに
異(ことなる)ことなし天に陰陽(いんよう)五行の徳ありて目にも見えず手
にもとるれね【ママ】どもその徳天地に/充満(じうまん)して万物に
その徳(とく)をほどこしあたへ給ふところを命(めい)といふ万物に
稟(うけ)たるところを性といふされども稟(うく)る万物の方(かた)に
大小/厚薄(こうはく)清濁(せいだく)ありて己(おの)が分際(ぶんげん)ほどにうくるなり
古歌(こか)に〽はるさめのわきてそれとはふらねどもうくる