伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(七・下) - 翻刻

藩翰譜(七・下) - ページ 12

ページ: 12

翻刻

【右丁】 召のほせよかれら参らん程は をのか館に籠居すへきよし にて都にのほり聚楽の家にありかゝる所に政宗御家子 郎等京中を焚はらひてきり死すへしと聞えて 洛中もつての外に騒動し又政宗か太閤うち奉らん とする謀のやうへらにしるし江戸中納言殿の伏見の 御館のほとりに榜をたつ太閤此榜のやうを御覧し 政宗にくしと思ふ者のしたる御さんなれ扨は秀次に 組せしなといふ事も此榜たてし奴原か所為也けり とてつゐに咎ゆるされて帰国す《割書:此事成実か記に|詳なり ○此時の》 《割書:事伊達上野年経て後したしきものにかたりしを聞しと申す|老人の申せしは此度政宗か咎ゆるされし事偏に徳川殿の御ちから也》 【左丁】 《割書:はしめ太閤政宗を伊与の国にうつさんと擬せらる 政宗大きにおとろき|徳川殿につきて愁訴せんとて 伊達上野 ならひにしたしき 家子壱人》 《割書:そへて伏見の御館にまいらす徳川殿二人の使を御前にめさる朝やゝさむき |ころ也 御火燵に よりてましまし二人か申す旨を聞し召御けしき》 《割書:いかにもやはらかせたまひて朝とく参れりかれいいまたなるへし|給るへしと仰らるやかて 御膳をすゝむ二人御前をまかりたらんと》 《割書:せしにたゝそれにて給れと ありしかは御前にさふらふかねてより|御飯を黄銅の鉢にいれて御火燵の上にをかれしを陪膳の人とりて》 《割書:参らす徳川殿二人に給る飯ひへぬらんこれ給れとてかの御飯を|給り御茶の地におちたりしを御ゆひに点したまふよしにていたゝ》 《割書:かせたまへは陪膳の人とりて御膳のかたはらにをくそのゝち御茶|をすゝめしにめしのこして二人にたふ御心よけに色〳〵の》 《割書:御ものかたりともありやゝありて二人の使政宗いかに待とをう|存すらん御返事うけ給るへしと申せし時御しとねよりをり》 《割書:させたまひ大きなる御声にてやあをのれか主人はさしも日ころは|世の人をははふ虫ともおもはす荒涼のことはきちらしてをのこふるまひ》 《割書:多けれとかゝるきはに出てはよのつねのきせいゆめはかりもなしかゝる|人を臆病のものとはいふにいかにをのれか身は伊与国にわたつて》 《割書:魚の餌にならんとや思ふ又都のうちにあつて犬の食にならんとや|思ふか此二三条のうちきつとおもひきはめ愁訴をも申さは申せ》